過去

◆風俗や売春にかかわっていた過去は、隠し通したほうがいいのか告白するのかいいのか?

今はそうでもなくなってきたのだが、以前は私の知り合いの女性はほぼ99%は何らかのセックスワークにかかわっていた女性だった。日本でも多くの風俗嬢に会って話を聞いてきたが、たまに以前インタビューした女性から近況を知らせるメールをもらうこともある。 10年前に風俗嬢だった女性がまだ風俗の仕事をしていることもあれば、すでに風俗を辞めたという女性もいる。その中のひとりは風俗嬢を辞めたあとに昼職を何年か続けて […]

◆セックス産業にいた女たちは、予測しないところで過去を暴かれる

一部の女性は生きるためにもがいている。そして人生のどこかで闇に堕ちる。生きるために身体を売り、食べるために荒んだ世界で荒んだ男たちと会う。 やがて何とか最悪期を脱して表社会に戻り、ごく普通の生活を取り戻して社会に羽ばたいて行こうとするとき、「堕ちた過去」が邪魔になっていく。 堕ちた過去はその女性の人生の一部である。その時期は必死で生きていたという証拠でもある。その堕ちた過去があったから生き延びてい […]

◆妻が「かつて」風俗嬢だったことを知った時、あなたはどうするだろう?

結婚して普通に仲良く暮らしていたが、ある時自分の妻が「かつて」風俗嬢だったことを知ったとする。あるいは、妻が「かつて」援助交際をしていたことを他人に聞かされたとする。 当然、あなたは大きなショックを受ける。 妻に問い詰めると「確かにそういう過去はあったが、今は普通に暮らして夜の世界とは関わっていない。結婚してから夜の世界に関わったこともないし浮気したこともない」と言う。 あなたは、その話を聞かされ […]

自分を取り戻す方法。「過去のドアを開ける鍵」はどこにあるのか?

ボブ・ディランの『時代は変わる(The Times they are a changin’)』という歌で、このような一節がある。 「あなたは、泳ぎ始めた方がいい。そうしないと石のように沈んでしまうだろう。時代は変わって行くのだから」 時代は常に変わっていく。それは止められない。昨日と今日はまるで同じ一日に思えるのだが、それでも10年前と今日では確かに時代が違っていることを私たちは振り返 […]

時代は流れていき、私たちは知らずして取り残されたことに動揺する

2019年2月11日にドイツの首都ベルリンで映画祭があった。そこでレッドカーペットを歩くひとりの女性の写真があって「ナスターシャ・キンスキー」と説明が書かれていた。写真の女性の顔はまったく見覚えがなかったが、その名前はよく知っていた。 ナスターシャ・キンスキーと言えば、映画『テス』に出ていた女優のはずだ。(ブラックアジア:ナスターシャ・キンスキーが映画『テス』で見せた薄幸の由来) 彼女の映画はこの […]

◆郷愁を想う。その人に惹かれたという気持ちを忘れたくない

郷愁とはいったい何歳から感じるものなのだろうか。人はいつから想い出を大切にするようになるのだろうか。 「懐かしい……」 そんな気持ちを私が強く感じたのを今でも強いインパクトとして覚えているのは、20歳の頃にタイに初めて足を踏み入れたときのことだった。 バンコクは日本とはまったく違う「異国」だったにも関わらず、街の中でふと見る建物や人々や景色に、私は懐かしいという気持ちが抑えられなかった。 タイの郊 […]