産み捨て

◆0歳0か月0日で殺される赤ん坊。「赤ちゃんポスト」も悲劇を救うための手段

2023年11月1日。岡山市で自宅で産んだばかりの新生児を殺害したとして38歳の女性が逮捕されている。彼女は独身で68歳の母親とふたり暮らしだったのだが、その母親がへその緒がついたまま死んでいる赤ん坊の遺体を見て仰天して、119に連絡させて事件が発覚した。 68歳の母親は娘の妊娠に気づいていなかった。同じ屋根の下に暮らして毎日自分の娘を見ているのに、妊娠に気づかないということがあるのだろうかといぶ […]

◆堕ちていく日本。これまで途上国で起きていたような産み捨て事件が続々と……

戦後の混乱期には日本で赤ん坊の産み捨て事件が続出した。それも致し方ない時代だったかもしれない。日本の国土は見渡す限り焼け野原と化し、人々は飢え、おにぎり一つで身体を売って「こんな女に誰がした」と女性が嘆く時代だったのだ。 孤児《みなしご》も多かったが、親を失った子供たちだけでなく、親に棄てられた子供たちも多かったのである。しかし戦後の混乱が収まるにつれて、赤ん坊の産み捨ての事件はどんどん減少してい […]

◆臨月の風俗嬢がギリギリまで働き、ホテルを子供を産み捨てて逃げる事件に思う

2022年5月10日。大阪堺市のとあるラブホテルで、デリヘル嬢がトイレで女児を産み落とし、そのまま放置して逃亡して逮捕されるという事件があった。赤ん坊は無事だったが、奇妙な事件だった。 何が奇妙だったかというと、彼女は赤ん坊を産む直前までデリヘルの仕事をしていて、客とこのホテルにいたのである。要するに彼女は「臨月の風俗嬢」であったということだ。 私の著書『デリヘル嬢と会う』では、私が会って話を聞い […]

◆中絶数14万5340件の日本。しかし、ほとんどの男はそれに関心がないという現実

2021年12月22日、イギリスの製薬企業ラインファーマが、薬で中絶ができる「経口中絶薬」の使用許可を厚生労働省に申請している。これが通れば、国内初の経口中絶薬となる。薬の名前は「ミフェプリストン」と「ミソプロストール」である。 中絶手術というのは女性の身体に大きな負担をかける。これが認定されると中絶はより安全になるのだが、「お手軽に中絶できる環境を生み出すのは果たしてどうなのか?」「経口中絶薬で […]

◆赤ん坊を空港のトイレで殺した女子大生は、知能指数が74の風俗嬢だった

2019年11月、当時大学生だった22歳の女性、北井小由里《きたい・さゆり》は就職活動で上京した際に飛行機内で陣痛が始まり、羽田空港のトイレで人知れず出産した。この時、彼女は就職活動で神戸市からひとりで東京に来ていたのだが、妊娠していたことについては両親にも隠し続けていた。 子供を産んだ彼女はどうしていいのか分からずパニックになり、とっさに赤ん坊の口にトイレットペーパーを詰め、首を絞めて殺害した。 […]

◆徐槿栄。新宿歌舞伎町で赤ん坊を捨てた韓国人女性の背景

2017年2月15日、自動販売機脇に設置されたゴミ箱の中に捨てられたカバンの中から生後間もない男の子の嬰児の遺体が見つかるという事件が起きていた。 それが東京都新宿区歌舞伎町2丁目のホテル街にある駐車場・コインパーキングとあるのだが、具体的な場所を言うと「ホテルG7」と「ホテル・リバティ」向かいにある駐車場に置かれてあったゴミ箱の中である。 ここに手提げカバンと一緒にヘソの緒の付いたままの嬰児を捨 […]

◆岐阜県にいるフィリピン女性たちと、赤ん坊遺棄事件のこと

もうすでに2005年の興行ビザの厳格化で「タレント」として来日する若いフィリピン女性が日本から消えて久しい。しかし、それでも彼女たちの姿は皆無になったわけでもなく、細々と日本に残っているのも事実だ。 東京近郊では、東京都足立区の「竹の塚」がリトル・マニラになっていることで有名だ。足立区はフィリピン女性が多い。(「竹の塚」のリトル・マニラ。フィリピン女性は今もいる) しかし、人数で言えばフィリピン人 […]

◆一人っ子政策が、売春女性を大量に生み出すことになる理由

閲覧注意 2002年、中国の新華通信社は、国勢調査を発表し、2000年には女児100人に対して、男児は116人だったとして男女不均衡が今後、中国社会に大きな問題を引き起こすと発表した。 それからちょうど10年経った2012年、中国国家人口計画生育委員会は新たな統計データを発表したが男女の不均衡はどうなっていたのか。 女児100人 男児118人 相変わらず、男女比率は不均衡のまま推移していることが分 […]

◆産んだ赤ん坊を、へその緒がついたままゴミにして捨てる

母親には母性本能があって、妊娠してお腹が大きくなるにつれて母性本能が働き始めると言われている。 母親の愛は「無償の愛」であり、子供のためには何でもする。そんな愛があったから、私たちは無防備な幼年期をくぐり抜けて生きることができた。 しかし、母親と言えども、どうしようもないこともある。 貧困や、家庭内暴力や、精神的に追い詰められたことによって子供を死なせてしまうこともある。最近の日本でも、そういった […]

◆望まない妊娠をするタイ女性と、社会に沈澱する静かな怒り

ある年の春、タイの東北部の小さな街、ピーマイからコラートに戻って、この郊外の静かな街に一泊した。そのとき、ひとりの女性と知り合った。 彼女はまだ20歳にもならない歳だった。妊娠していて、とてもお金に困っていた。 「バンコクに行きたいけど、行くお金もないの」 私が明日バンコクに戻ると言うと、一緒に連れていってくれと投げやりに言った。 お腹を見るとすでに妊娠6ヶ月ほどの大きさになっている。ゆったりとし […]