パンパン

◆「肉体の防波堤」「東京租界」。日本の闇が最も深かった時代を見つめよ

日本は1945年8月15日に敗戦を迎えたのだが、この当時の日本政府はこれを「敗戦」と表現しないで「終戦」と表現した。そして、日本に乗り込んで来たアメリカ軍を「占領軍」と言わずに「進駐軍」と言った。 言い方がどうであれ、日本はそれぞれの都市が大空襲で焼け野原にされ、二発の原子爆弾を落とされ、完膚なまでに叩きのめされて「敗戦して占領軍に支配された」という客観的な現実がそこにあったのは事実だ。 1945 […]

◆『カルメン故郷に帰る』はなぜカルメンで、カンカン娘のカンカンとは何か?

高峰秀子の映画に『カルメン故郷に帰る』という映画がある。 1951年の映画なのだが、この映画は日本で初めての総天然色、すなわち「カラー」で撮られた映画で、今観てもその映画に映る軽井沢の風景の美しさに見とれるほどだ。 ところで、この映画が制作された1951年というのは、昭和26年であり、まだまだ昭和20年の敗戦の空気が残っていた時代でもある。しかし、この映画はコメディであり、映画にはそうした暗さは微 […]