売春地帯をさまよい歩いた日々

6/9ページ

◆なぜ、彼女は故郷から遠い場所にやって来たのか?(2)

インドネシア編 とは言っても、彼女たちにとって、男がシンガポーリアンだろうが日本人だろうがそんなに大して違いはなかっただろう。 それは、日本人の男が、目の前の女性がカリマンタン出身だろうがバンドゥン出身だろうが、大して違いはないと思うのと同様だ。 本当はカリマンタンの女性とバンドゥンの女性は全然違う気質や顔立ちなのだが、分からないうちはみんな同じだ。 彼女もまた目の前の男の国籍が何であっても特に気 […]

◆なぜ、彼女は故郷から遠い場所にやって来たのか?(1)

インドネシア編 彼女の名前はシタと言った。清楚で端正な顔立ちをした娘で、歳はあえて訊かなかったが25歳前後に見えた。 インドネシア領バタム島で出会ったのだが、彼女の出身はバンドゥンだった。 バタム島の夜のビジネスに関わっている娘たちは、大抵が近くのスマトラ島やカリマンタン島から出稼ぎに来ている。ここバタムでバンドゥンから来たという娘に会うのは彼女が初めてだった。 このコンテンツを閲覧するにはログイ […]

◆赤い瞳のリリー。ジャカルタの娘に振り回された夜(2)

インドネシア編 降りようとして車のドアを開けたときだった。急に隣に座っていた娘が、振り向いた助手席の青年に抱きついた。 そして、ふたりはしっかりと抱擁しあった。 それを見て絶句してしまったが、運転席のジョニーも固く抱き合うふたりのカップルを見て、顔面蒼白になって凍りついてしまった。 ふたりは恋人同士かもしれなかった。 もはやこれまでだ。車から降りると、娘を残したままドアを閉めた。そして、運転席のジ […]

◆赤い瞳のリリー。ジャカルタの娘に振り回された夜(1)

インドネシア編 インドネシアの首都ジャカルタ・コタ地区ジャラン・テー(Jl.Teh)にある置屋で会った娘のことを思い出すと、とても複雑な気分になる。 彼女の名前はリリーと言った。猫のような目を持ったキュートでかわいらしい娘だった。 この置屋は舗装もされていないわき道にある寂れて汚れた建物のひとつであり、看板さえ出ていない。 店かどうかは一見してまったく分からないし、入り口は狭くて飾りらしい飾りもな […]

◆切り刻まれた女。傷ついたアイリーンの身体に泣く(2)

インドネシア編 店ではあれほど異常な雰囲気を醸し出していたのに、ふたりきりになるとアイリーンは他の誰よりもまともだった。 もしかしたら彼女は、わざとつれない態度を出していたのかもしれない。 投げやりな態度は、自分が本命ではなく、あくまでも他の女の代わりであることを知っていて、嫌気が差していたからなのかもしれない。 このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い ログイン. あなたは会員です […]

◆切り刻まれた女。傷ついたアイリーンの身体に泣く(1)

インドネシア編 インドネシア・バタム島。ここには夜の世界に棲息する男たちの誰もが「良い」と口を揃えて認める有名なカラオケ屋がある。 『ハリウッド』だ。名刺には『スポーツ・マッサージ&ミュージック・ラウンジ』とある。「スポーツ・マッサージ」が何か別のものを意味していることは誰もが知っている。 インドネシアは建前と本音が明確に区別される国であり、置屋もまた名刺には建前を装っているのだ。 このコンテンツ […]

◆パッポン。ベトナム戦争が作り上げたアジア最大の歓楽地

タイ編 東南アジアきっての歓楽街、世界で名だたる売春地帯、アルコールと音楽、退廃とエイズ、美しい女と妖しいガトゥーイ(性転換者)の溢れた現代のソドム。 多くの男たちの人生を狂わせた街、それがバンコクの一角にある毒々しい不夜城「パッポン」である。 はじめてこの街に足を踏み入れたのは1986年春のことだった。当時はまだ道を埋め尽くす屋台などはなく、どこか殺伐とした匂いが漂う筋金入りの売春街だった。

◆破滅。欲望の街で死んでいった男たちの怨念が、身に染みた

タイ編 破滅するということはどういうことだろう。男がドラッグとセックスで破滅していくのは珍しいことではない。 ずっと夜の闇をさまよってきていると、普通の人よりも破滅していく男を間近に見ることができる。また、間接的にもよく破滅した男のことを見たり聞いたりする。 逮捕された人も多い。会社員、土木作業員、タクシーの運転手、教師、会社経営者……。 みんな夜の世界に関わったばかりに、坂道を転がり落ちるように […]

◆ミネラル・ウォーター。疑心暗鬼と猜疑の入り混じった関係

タイ編 タイ・パタヤ。多くの悪女と堕落した男が集まるこの欲望の街はこの日もほどよくごった返している。 昼間に熱されたアスファルトの臭いとひっきりなしに道路を往来するソンテウとバイクタクシーの排気ガスがパタヤの空気だ。不思議と潮の匂いはあまり感じない。 パタヤにいてそれほど海を感じないのは、ここが島ではないからかもしれない。あるいは、潮よりも排気ガスの臭いの方が強いので、海のイメージがかき消されてい […]

◆虚勢をはって生きる女と、深謀遠慮の女。対照的な女の火花

タイ編 パタヤのあるゴーゴー・バーにふらりと入った。 カウンターには、生活に疲れたような顔をした白人の客がひとりいた。壁際のソファーには白人がふたりバー・ガールに囲まれて静かに飲んでいる。客はこれだけだった。 それなのに女性たちは15人以上はいる。それほど儲かってはいないのはバーに入っただけで分かった。 パタヤでは、経営状況が決してよさそうではないバーが、何年も根づいて続いていることが多い。 店じ […]

◆コ・サムイ。かつてドラッグとセックスの無法地帯だった島

タイ編 タイは世界に名だたる観光立国であり、訪れる観光客は増え続ける一方だ。 パタヤやプーケット島、サムイ島、ピピ島、パンガン島などはリゾート地としての設備を整えて、毎年押しかけてくる観光客の受け入れに余念がない。 多くの観光客が訪れてリゾートとしての設備が整うにしたがって、かつては不良外国人の溜まり場でもあったサムイ島などは急速に浄化されて、邪悪な雰囲気はひとつひとつ消されていったようだ。

◆何かを隠し続ける女。疲れた彼女が見せてくれたものは……

タイ編 パタヤは比較的安全な「欲望の街」だ。しかし、夜のビーチ通りにいる女は危険だから近寄らない方がいいとよく言われている。言われるまでもなく、よく事件の現場になっている。 歳を取った女、美しくない女が多いというのもある。睡眠薬強盗を働く娼婦も、病気を持った娼婦も、そして女装した男も、ここに揃っている。 運動靴を履いた女は盗み専門。バッグの中にナイフを忍ばせた女。スタンガンを持ち歩く女もいる。

◆理不尽に金を失う夜の街で、スリや強盗よりも危険なのは?

タイ編 バンコクのソイ・カウボーイに、バカラ( Baccara )という店がある。あまり好きではないが、たまに趣向を変えようと数年ぶりに行ってみた。 昔と変わらず、見上げると天井がガラス張りになっており、そこにスカートをはいたダンサーが踊っている。相変わらず日本人の姿も多く、この店は何も変わっていないことを知る。 男たちはビールを飲みながら時おり天井を見上げ、女性たちのスカートの奥をのぞいてニヤリ […]

◆「久しぶり」と声をかけてくれた女性を覚えていなかった

タイ編 真夜中だったが、派手な格好をした夜の女と、酔った男たちが大騒ぎしていた。相変わらず、バンコクはにぎやかだった。 ソイ・カウボーイを出て、スクンビット通りをふらふらと歩いていく。高架鉄道BTSのアソック駅ができてからだと思うが、この当たりにも女たちが立つようになったのは興味深い。 ロビンソン・デパートを少し過ぎたとき、道のわきに立っていた女が”Oh !!”(まあ!)と […]

◆異国の売春女性。追い詰められ、排水溝で暮らしていた女も

シンガポール編 貧しさに困窮して海外に目を向けるタイの女性たちがいる。あるタイ女性はスイスへ向かい、ある女性は中東へ向かう。 スリランカへ行く娘もいれば、シンガポールを目指す娘もいる。自国よりも稼げるところであれば、娘たちはどこにでも出ていく覚悟があるようだ。 日本で売春をしているタイの女性たちもかつては珍しくなかった。彼女たちは東京・神奈川・大阪に身を潜めて夜の街に立ち、自分に声をかけてくれる男 […]

◆貧困の中で生きてきた女性が唯一持っていたのは何だったか

タイ編 熱帯の国はどこでも豊饒な大地に恵まれていると考えるのは大きな間違いだ。 たとえばタイのイサーン地方では土地が痩せて農作物の収穫は毎年苦しい状況にある。痩せ細り、水はけの悪い土地に農作物は満足に育たない。 そんな不毛の大地を持つ地主が小作人に土地を貸して、それを収穫物(タバコや稲)で返してもらうようにしている。 このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い ログイン. あなたは会員 […]

◆小悪魔のワナ。数を撃てば当たる戦略からラブレター本まで

タイ編 パッポンのゴーゴーバー「キング・キャッスル」で、ある女性と意気投合したことがあった。情熱的で素晴らしい女性だった。一晩、彼女と一緒に過ごした。 しかし、やがて朝がやってきて彼女は帰らなければならない。意気投合した仲で、別れがとても名残惜しい。彼女は真剣な顔をして言う。 「今日もバーに来て。ペイバーして。あなたを待っています」 その気迫に飲まれて思わず了承する。もう一晩彼女と一緒にいてもいい […]

◆1998年5月、インドネシアのコタの街で起きたレイプと虐殺

閲覧注意 インドネシア編 インドネシアで経済の中枢をしっかりつかんでいる中国系の人々は、常に嫉妬や羨望の的だ。 その事実は「中国系に搾取されているから他は貧しいのだ」という歪んだ感情となって鬱積してゆく。 だから、暴動が起きると中国系の人々は真っ先に略奪の対象になってしまう。スハルト政権もいよいよ末期に近づいた1998年5月もそうだった。 このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い ロ […]

◆白昼夢。「普通の人間」になろうと努力していたときのこと

タイ編ときどき、自分の心が日本にないことに気がつくことがある。目を開けたままアジアの白昼夢を見ているのだ。 日本にいても、ふと見かけたアジアの女たちだけを見ている自分に気がつく。 真夜中には夜の街にアジアの女たちを見付け、なぜ日本にいてもこれほどまでアジアに関わってしまうのかと、ひとりになると思わず苦笑いをしてしまう。 このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い ログイン. あなたは会 […]

◆ルークトゥンの響き。虚飾こそが、夜の女たちに必要なもの

タイ編 パタヤの夜。この日、ウォーキング・ストリートを外れて歩いていたが、あるオープン・バーの横を通り過ぎようとしたとき、ひとりの娘が「ヘイ、ハロー!」と声をかけて、腕を引っ張ってきた。 どうしても腕を放してくれないので、彼女に引きずれるがまま、そのオープン・バーに入る。見まわすと、年を取った女たちも多かったが、若い女も混じっていた。 狭く小さなバーだったが繁盛していた。何人ものむくんだ顔をしたフ […]

1 6 9