◆「ただで分け与えるくらいなら捨てる」のが資本主義の論理
インドでは道ばたで朽ち落ちたように餓死して死んでいく貧困層もいる。 ユニセフが子供たちの環境について調査した結果を記した「プログレス・フォー・チルドレン」によると、インドの5歳未満児に占める発育障害の割合は46%もいるという。 発育障害は言ってみれば長期的な発育不良で体重が基準に満たない子供たちを指すのだが、その理由は栄養が足りないことに原因があることが多い。 そのため、病気にも罹りやすく運動機能 […]
インドでは道ばたで朽ち落ちたように餓死して死んでいく貧困層もいる。 ユニセフが子供たちの環境について調査した結果を記した「プログレス・フォー・チルドレン」によると、インドの5歳未満児に占める発育障害の割合は46%もいるという。 発育障害は言ってみれば長期的な発育不良で体重が基準に満たない子供たちを指すのだが、その理由は栄養が足りないことに原因があることが多い。 そのため、病気にも罹りやすく運動機能 […]
日本ではあまり中年女性のホームレスを見かけないが、いないわけではない。 あいりん地区では女性のホームレスが道ばたに座って男と酒盛りをしている姿もあるし、東京でも池袋や新宿で女性ホームレスの目撃がある。 数が少ないというのは、女性が貧困に堕ちていないという意味ではない。極貧の中で何とか住処だけは確保して、生きているというのが現状だ。 しかし、アメリカはもはや5000万人以上もの人々が「貧困層」になっ […]
米国勢調査局が2012年に出しているレポートによると、アメリカ合衆国の50州と首都ワシントンD.C.の中で、住民1人あたりの可処分個人所得が、最も低いのはミシシッピ州であったと言われている。 ミシシッピ州はジャズの本場として知られているが、黒人が多く住んでいて、さしたる産業もなく貧困層が多い。2005年のハリケーン・カトリーナ以後10年経っても復興ができておらず、貧困と過疎が進んで見捨てられた南部 […]
インドのアーンドラ・プラデーシュ州はインド大陸の南東部にあってテルグ語を話す人々が住んでいる。 この州はインド屈指のIT産業の地ハイデラバードのある州として知られているのだが、2014年にこのハイデラバードを含むテランガナ地区が独立して新しい州になった。 なぜこの地区は独立したかったのか。それはアーンドラ・プラデーシュ州のほとんどは農業が主体の貧乏州であり、ハイデラバードは完全に異質だったからだ。 […]
タジキスタンは1991年に旧ソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)から独立してすぐに内戦が勃発し、2000年に入ってやっと平和を取り戻すことができた。 しかし、その後も貧しいままで、ソ連から独立した国の中でも最貧国のまま今に至っている。 タジキスタンの首都はドゥシャンベだが、経済成長しているのはこの首都圏だけで、地方のほとんどは貧困に堕ちたままで、極貧の中、農業で細々と暮らしている。 タジキスタンは、 […]
インドはとても貧困層が多い国で、たとえばコルカタ(カルカッタ)でも空港に着いてタクシーで市内に入った瞬間、もう路上で粗末な服を着た人が行き倒れになったような姿を見ることができる。 初めてインドに降り立った人は、誰もが驚くはずだ。 私が最初にインドに降り立ったのはコルカタだったのだが、行く前から「インドは貧しい人たちの多い国である」というのはよく知っていた。 私はインドの前に東南アジアのスラム街にず […]
マルコム・グラッドウェルの著書『天才!』によると、いくら知能指数が良くても、社会的に成功できなかった天才は山ほどいるという。 730人のIQ(知能指数)の高い天才の記録を調べた結果、天才であってもその後の人生は3つのグループに分かれた。 (A)社会的に成功しているグループ。 (B)まずまずうまくやっているグループ。 (C)社会的に成功できていないグループ。 私たちはIQの高い人間は全員がその知能ゆ […]
国に格差が広がって、貧困層が結婚もできないような状態になったとき、多くの国は治安が悪化し、売春ビジネスが盛んになっていくという傾向がある。 日本も2000年以降は格差社会になったのだから、レイプと売春ビジネスがどんどん増えていくと私は予測していた。 ところが、日本だけは他の国とはまったく違った動きになって私を戸惑わせた。待てど暮らせど、日本では売春地帯が生まれなかった。(他国は貧困が売春を生み出す […]
「絶望的に生活能力がない」という女性が世の中にいる。自分が生きるか死ぬかの瀬戸際にあっても、どのように生き残ればいいのか、まったく思いつかない女性だ。 現代の日本で、ごく普通の健常者が何をどうして生きていけばいいのか分からず、誰にも相談できず、そのまま餓死してしまうということがあるだろうか。 実は、そういったケースがあった。昔の話ではない。ごく最近の話だ。しかも、この女性は世の中を知らないと思われ […]
人身売買というと、日本では非常に希有で異様な犯罪に見えるかもしれないが、途上国に行くとそれが希有でも異様でもなく、ごくありふれた日常であることに驚く。 私はかつては旅人であり、東南アジアで流れるようにして生きていたが、その「流れ者」の私も取引を持ちかけられたことがある。信じられないかもしれないが、一度や二度ではない。 ひとつはタイのヤワラーの安宿にいたとき、廊下をはさんだ向かいに泊まっていた無職の […]
閲覧注意 日本は世界でも稀に見る治安の良い国で、コンビニに強盗が入っただけで新聞のニュースになる。あるいは、ヤジが飛んだかどうかくらいで、いい年をした大人が今後の対応をどうするのか協議する。 これは平和な国である証拠でもある。 世界を見回すと、国民のためにならない馬鹿な政治家が暗殺されたり、銃撃されるのが普通で、アメリカでも国会議員が何人も銃撃されている。 ケネディ元大統領も脳漿を吹き飛ばして死ん […]
アメリカは世界最大の先進国であり自由の国でもあるが、激しい競争社会でもあり格差の国でもある。国民のほとんどは、協調よりも競争をモットーにしている。だから、その結果もまた甘んじて受け入れる。 野心と運と向上心に溢れている人には、アメリカ以上にエキサイティングな国はないのだろう。 才能があれば、どこまでも上り詰めることができる。そして、他の国では考えられないような報酬を受け取ることもできる。 たとえば […]
香港は中国であって中国ではない。香港は金融都市であり、観光都市であり、自由貿易都市である。そして、非常に裕福な国、裕福な人たちが住む地域というイメージがある。 しかし、香港は狭い地域だ。日本で言えば、札幌市と同じくらいの広さしかない。 あまりにも狭い地域なのだが、そこに大量の人々がなだれ込んでくる。現在、700万人が住むと言われているが、それは公称であり、実際には約800万人と見るのが実態に近いの […]
知能とは、何か。 知能とは、認知や、記憶や、判断や、予測や、思想や、仮説を組み立てるような能力、さらには人生設計の計画や、準備等を含めた、知的活動をする上での土台となるものだ。 もちろん、知能は低いよりも高い方が良いに決まっている。だから、知能を伸ばすための教育は子供に欠かせない。 しかし、知能を伸ばすための環境は、全員がきちんと整っているわけではない。本来はもっと知能を伸ばせる人であっても、環境 […]
ハイチで巨大地震が起きて国そのものが壊滅したのは2010年1月13日だった。倒壊した建物の下敷きになったり、その混乱の中で死んでいった人たちは約31万人にもなった。 地震直後からハイチは略奪都市となった。(略奪の都市となったハイチ。無法地帯に略奪者が闊歩する) さらに、その地震のあとにはコレラが蔓延して、せっかく地震を生き延びた人々も次々と死んでいった。そのとき、街で裸の女性が放置されたまま誰も助 […]
先日、ふと埋もれた本棚の奥の奥にあった一冊の本をまた手にした。『乞食の子』という書籍だ。 この本は、以前、ブラックアジアに紹介したことがあったが、調べてみると、ちょうど10年前に紹介したものだった。改めて紹介したい。 この本はすでに絶版になっているので中古書籍を買うしかないが、壮絶な貧困の暮らしを知りたい人は、読んでみても無駄ではないと思う。