◆「あなたもどう?」と麻薬を出した女性をしみじみと想う
「この薬はとても気持ちがいいのよ、あなたもやってみる?」 私にそう言ったのは、サムイ島にいたフランス女性だった。彼女が持っていたのは白い結晶で、彼女はそれを白いタバコ用シガレットの紙に包んで保管していた。 これがヘロインだった。私が生まれて初めてヘロインというドラッグを見たのがそのときだった。 薄暗いバンガローの中で、ヘロインの包みを出して私の前に差し出したとき、私は即座にそれを断らなかった。 そ […]
「この薬はとても気持ちがいいのよ、あなたもやってみる?」 私にそう言ったのは、サムイ島にいたフランス女性だった。彼女が持っていたのは白い結晶で、彼女はそれを白いタバコ用シガレットの紙に包んで保管していた。 これがヘロインだった。私が生まれて初めてヘロインというドラッグを見たのがそのときだった。 薄暗いバンガローの中で、ヘロインの包みを出して私の前に差し出したとき、私は即座にそれを断らなかった。 そ […]
メキシコのドラッグ・カルテルが凄まじいまでの勢力を持っているのを見ても分かる通り、世界はドラッグの蔓延で地獄のような惨状になっている。 ドラッグに満ちているということは、すなわちドラッグに堕ちた依存者も山ほど存在するということだ。日本ではドラッグでフラフラになってストリート売春をしている女性の姿は皆無だが、世界はそうではない。 アメリカでも中南米諸国でも欧米でも、こうした女性たちは当たり前に存在す […]
イギリスのファッションモデルに「カーラ・デルヴィーニュ」という女性がいる。シャネルやH&Mのモデルとして活躍している太い眉毛が特徴のブロンドヘアーに青い目のイギリス女性である。 今後、映画女優としてもブレイクしていくのかもしれない。 ただ、彼女は俗に言うパーティーガールだ。ドラッグやアルコールに溺れており、感情も一定せず、うつ病のような症状も見せることもあると言われている。もしかしたら自滅も早いの […]
2010年11月14日夜、バリ島グラライ国際空港でひとりの日本人が逮捕された。 森田裕貴。当時は35歳だった。 この男はインド・ニューデリーで購入したハシシを約6キロをインドネシアのバリ島に持ち込もうとしているところを逮捕されていた。 この男のスーツケースにはハシシが13個の小さな小箱に分けられて隠されていた。 ニューデリーからはタイ航空431便でバンコクにトランジットしていたのだが、バンコクの空 […]
キルギス(かつてはキルギスタン)という国がある。かつてソビエト連邦に属していた国で、タジキスタン北部に位置する国だ。 誘拐婚(アラ・カチュー)という世にも奇怪な伝統が存在する国がキルギスだが、この国のことは誰も関心がない。(強制結婚。それは、時代が変わればいつでも戻って来るのだ) 誰も関心がなく、何が起きても国際世論に無視され、そもそもこんな国があることすらもほとんど知られていない。つまり、この国 […]
昔、日本で犯罪を行った犯罪者が高飛びすると言えば、フィリピンだと相場が決まっていた。 フィリピンは今も警察が腐敗している上に、捜査能力も他国よりも劣っており、いろんなことがカネ次第で解決できることから、犯罪者にとってはありがたい国となっている。 さらに、国民全体が貧しく、仕事をしないでフラフラしている人も多いので、日本人がそこに紛れ込んでも誰も怪しまない。 そして、フィリピン人はすねに傷持つ人間同 […]
アフガニスタンやミャンマーのケシ、アルゼンチンやコロンビアのコカ、北朝鮮の覚醒剤。ドラッグを製造しているのは、そのほとんどが貧困国だ。 そして、ドラッグは貧困国から先進国に運び込まれる。貧困国がドラッグを扱うのは、それが高く売れるからだ。違法であっても、リスクを負うしか生きる方法がない。 だから、ドラッグ問題は貧困問題である。(貧困層が金持ちに売りまくることが可能な、割りの良い商品) このドラッグ […]
圧倒的な貧困層がいて、一方で金持ちがいたとする。金持ちに何かを継続的に売りつけることができたら、金儲けになれる確率が高まる。 金持ちは欲しいものがあったらいくらでも買えるし、時には思いもしなかった大金を支払ってくれるかもしれない。 しかし、貧困層が金持ちに継続して何かを売れるような商品はそれほど多くない。金持ちは、安物や粗悪品やニセモノなど見向きもしない。 かと言って、貧困層が質の良い何らかの高額 […]
タイは東南アジアでは非常に発展した地域なので、大量のドラッグが押し寄せてきており、政府はこれを必死になって防止している。 麻薬はミャンマーからもラオスからもカンボジアからも流入してくる。日本は海に囲まれていてそれが自然の防波堤となって隣国から守られているが、タイはすべてが陸続きである。 同じことはカンボジアにも言える。 カンボジアはポル・ポト政権によって国家基盤を根こそぎ破壊された国で、2013年 […]
マレーシアでひとりの女性が覚醒剤を4キロも持ち込んだとして逮捕されたのは2009年10月のことだった。竹内真理子容疑者、35歳。 誰もが知っていることだが、東南アジアで麻薬の持ち込みは無期懲役か死刑かのどちらかになってもしかたがないほどの重罪である。 覚醒剤を4キロと言えばもはやプロの密輸と同じ量であり、そのニュースを見たとき、これは冤罪が証明できなければ間違いなく死刑になるケースだと感じた。 そ […]
タイは今も昔も麻薬蔓延地帯だ。しかし、昔と違うことがあるとすれば、非常に激しい罰則が1990年代から機能し始めていたことだろう。 旅行者の中でも、明らかにジャンキーと分かるような外国人や、堂々とパープル・ヘイズ(大麻の煙)をふかしているような外国人は片っ端から逮捕されていった。 しかも、そのほとんどが終身刑か、死刑かという厳しいものだった。2001年に入るとタクシン政権がそれを加速させて「外国人で […]
タイではいくつも名の知れたビーチ・リゾートがある。サムイ島、パンガン島、ラン島、プーケット島……。 その中で、映画『ザ・ビーチ』で舞台になったピピ島(ピピ・ドーン島)もまた欧米人の間ではとても人気のあるビーチ・リゾートだ。 2012年6月、この島でカナダ人の若い姉妹が死亡した。ふたりとも激しくのたうち回り、嘔吐し、身体は変色し、歯茎からは出血し、爪は真っ黒に変色するという状態で死んでいた。 ふたり […]