タイ編

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◆何かを隠し続ける女。疲れた彼女が見せてくれたものは……

タイ編 パタヤは比較的安全な「欲望の街」だ。しかし、夜のビーチ通りにいる女は危険だから近寄らない方がいいとよく言われている。言われるまでもなく、よく事件の現場になっている。 歳を取った女、美しくない女が多いというのもある。睡眠薬強盗を働く娼婦も、病気を持った娼婦も、そして女装した男も、ここに揃っている。 運動靴を履いた女は盗み専門。バッグの中にナイフを忍ばせた女。スタンガンを持ち歩く女もいる。

◆理不尽に金を失う夜の街で、スリや強盗よりも危険なのは?

タイ編 バンコクのソイ・カウボーイに、バカラ( Baccara )という店がある。あまり好きではないが、たまに趣向を変えようと数年ぶりに行ってみた。 昔と変わらず、見上げると天井がガラス張りになっており、そこにスカートをはいたダンサーが踊っている。相変わらず日本人の姿も多く、この店は何も変わっていないことを知る。 男たちはビールを飲みながら時おり天井を見上げ、女性たちのスカートの奥をのぞいてニヤリ […]

◆「久しぶり」と声をかけてくれた女性を覚えていなかった

タイ編 真夜中だったが、派手な格好をした夜の女と、酔った男たちが大騒ぎしていた。相変わらず、バンコクはにぎやかだった。 ソイ・カウボーイを出て、スクンビット通りをふらふらと歩いていく。高架鉄道BTSのアソック駅ができてからだと思うが、この当たりにも女たちが立つようになったのは興味深い。 ロビンソン・デパートを少し過ぎたとき、道のわきに立っていた女が”Oh !!”(まあ!)と […]

◆ルークトゥンの響き。虚飾こそが、夜の女たちに必要なもの

タイ編 パタヤの夜。この日、ウォーキング・ストリートを外れて歩いていたが、あるオープン・バーの横を通り過ぎようとしたとき、ひとりの娘が「ヘイ、ハロー!」と声をかけて、腕を引っ張ってきた。 どうしても腕を放してくれないので、彼女に引きずれるがまま、そのオープン・バーに入る。見まわすと、年を取った女たちも多かったが、若い女も混じっていた。 狭く小さなバーだったが繁盛していた。何人ものむくんだ顔をしたフ […]

◆女の息づかい。目的はすでに失われ、ただ反復しているだけ

タイ編 カルカッタからバンコクに戻るとすでに夜になっていた。体調はあまりよくなかった。 インドではあまりにいろいろなことがありすぎて疲労が蓄積していた。カルカッタの安宿でベッドに横たわりながら、無理しないで休息を取ろうと思ったときだった。 不意にバンコクに戻りたいという気持ちになって、たまらずに戻ってきた。

◆小悪魔のワナ。数を撃てば当たる戦略からラブレター本まで

タイ編 パッポンのゴーゴーバー「キング・キャッスル」で、ある女性と意気投合したことがあった。情熱的で素晴らしい女性だった。一晩、彼女と一緒に過ごした。 しかし、やがて朝がやってきて彼女は帰らなければならない。意気投合した仲で、別れがとても名残惜しい。彼女は真剣な顔をして言う。 「今日もバーに来て。ペイバーして。あなたを待っています」 その気迫に飲まれて思わず了承する。もう一晩彼女と一緒にいてもいい […]

◆白昼夢。「普通の人間」になろうと努力していたときのこと

タイ編 ときどき、自分の心が日本にないことに気がつくことがある。目を開けたままアジアの白昼夢を見ているのだ。 日本にいても、ふと見かけたアジアの女たちだけを見ている自分に気がつく。 真夜中には夜の街にアジアの女たちを見付け、なぜ日本にいてもこれほどまでアジアに関わってしまうのかと、ひとりになると思わず苦笑いをしてしまう。

◆狂気に憑かれたような目で、ゆっくり首を絞めてきたナーム

タイ編 この日、久しぶりにソイ・カウボーイを歩いていた。ソイ・カウボーイは面白いストリートだ。 バーの女性たちは店の入口で客を呼び込むのではなく、道を数人の女性で塞ぐように立ち尽くして、やって来る男に抱きついて来る。 女性から目を反らしていれば無理強いされることはない。しかし、目が合うと大変だ。数人の女性に抱きつかれた上に、無理やり店の中に引きずり込まれてしまう。

◆ブードゥーのパット。熱射病と、オープン・バーの人間模様

タイ編 シンガポールからバンコクに戻る日の朝、ひどく体調を崩して朦朧としていた。 身体はだるくて頭痛がする。以前、ニカラグアで熱射病にかかって3日3晩ベッドから起きあがれなかった時があった。症状はそれとよく似ていた。 しかし、もう航空券は取っていたので無理やり起きあがって空港に向かい、そのまま飛行機に乗り込んで何とかバンコクまでたどり着いた。

◆寂しがり屋のクーン。彼女が見つけたのはフェラチオの仕事

タイ編 「スター・オブ・ラヴ」というバーがある。バンコク・パッポンの中程に位置するあまり目立たない特殊なバーである。 このバーはゴーゴーバーではないので、半裸で踊り狂う女性はいない。待機する女性も5人前後である。 細長いカウンターと、擦り切れたような古いソファがあるだけで、耳をつんざくような音楽もない。しかも店は狭く、場末の雰囲気がぷんぷんと漂っている。 他のバーが派手で猥雑で混乱したエネルギーに […]

◆マイクズ・プレイス。緑の虹彩を持った女性とロシアの崩壊

タイ編 久しぶりにバンコクに降り立ってソイ3を歩きロシア女性を捜した。しかし、半年前にはあれほどいたロシア女性たちが、煙のように消えてしまっていた。 ロシア女性はいつしかタイに現れ、バンコクのソイ3ストリートを歩き回っては男を誘っていた。それから半年もしないうちに、もう事態は変わっていた。 白人の売春女性の存在はタイでは目立ち過ぎていた。人身売買マフィアが巣食っていた悪名高きリージェント・ホテルは […]

◆冷気茶室。男の天国、女の地獄と呼ばれた、バンコクの魔窟

タイ編 タイ・バンコクの中華街ヤワラーは「魔窟」と呼ばれるに相応しい場所だ。 迷路のように入り組んだ道にひしめく細々とした店、古ぼけて骨董品のようになった建物。金行・食堂・ペット屋・雑貨屋・米屋・葬儀屋が乱雑に、脈絡無く店を開いており、それぞれが強烈な臭いを発している場所。 ここには旅社と呼ばれる安宿も多く、昔は場末の売春宿も林立していたものだった。冷気茶室と呼ばれるものも、典型的な売春宿であった […]

◆パッポンのマイ。なぜ自分はここまで堕ちたのかと、涙した

タイ編 20歳の頃、何気なくタイへ旅行に行った。はじめての海外旅行でひとり旅だった。見るもの聞くものが何もかも珍しく、旅に有頂天になった。 南国の太陽や文化や食事は慣れれば慣れるほど心地良いものとなってきた。 最初は健全な旅行をしていたが、ある日バンコクのパッポンに足を踏み入れた。パッポンはアジアでもっとも有名な歓楽街である。

◆饒舌でドラマチックなノイ。彼女は涙を流してそれを話した

タイ編 ノイという女性がバンコクのオープンバーがいた。スクンビットのナナ駅からアソークに歩いていく途中のオープンバーにいた小柄な女性だった。 彼女は今まで知り合ったタイ女性の中で、もっとも英語が流暢だと言っても過言ではないほど素晴らしい英語を話した。 フィリピン女性ならこれくらいの英語を話してもおかしくないが、彼女は正真正銘のタイ女性だ。しかも、その英語は独学で勉強した英語だと言った。

◆キル・ベイビー 。彼女は妊娠と性病とエイズの恐怖に泣いた

タイ編 悲劇は突然やって来る。前触れなどまったくない。この日もそうだった。 ゴーゴーバーをはしごしているうちに飽きてしまったので、久しぶりに2階のライブ・バーに寄ってみようと考えた。 昔は大好きだったライブ・バーも最近はあまり行かなくなっている。しかしどういうわけか、この日は無性に寄ってみたくなった。

◆昆虫食するプー。ハチも、クモも、サソリも食べるタイ女性

タイ編 タイは昆虫食があって、屋台でもそれが当たり前に売っている。食にはあまり関心がない上に、昆虫食ときたら不気味さが先に立って、今まで一度もそれを口に入れたこともない。 これからも恐らく昆虫を食べる気分にはならないだろう。しかし、タイの人々がそれを食べる分には見ていても何も思わない。 その国にはその国の習慣があるのだから、食べたい人間は食べればいいと思うし、それについて何か思うこともない。そう言 […]

◆チャイナタウンの楊(ヤン)。観光客を装いながら夜の街に

タイ編 2009年5月。夕方になるとバンコクは激しいにわか雨に見舞われたが、夜にはすっかり上がっていた。 ここのところずっとタイ料理ばかり食べ続けていたので、久しぶりにヤワラー地区の中華料理を食べたくなった。 やはり、チャイナタウンで食べる中華料理は競争が激しいせいか どこで食べても絶品なのは誰でも知っている。だから、近くの中華料理屋ではなく、ヤワラーに行きたかった。

◆3つの悪霊を見る女。売春と、愛と、深い嫉妬の中で(3)

タイ編 日本人が考える以上にタイ人は信仰心を持っているが、それにはアニミズム的要素もまた含まれており、タイでは悪霊(ピー)の信仰はとても一般的だった。 いつだったか、ナンナーク(タイでもっとも有名な女性の悪霊)を奉っている小さな寺も見に行ったことがあったが、そのときも若い女性たちがナンナーク(ナーク夫人)を模した像に向かって手を合わせていた。 私は神も仏も信じないタイプなので、ぼんやりとそれを見つ […]

◆テルメ。バンコクの援助交際バーに、売春女性が一堂に集う

タイ編 バンコクにはコーヒーショップと言われる場所がある。 グレース・ホテルのコーヒーショップは昔から有名だったが、最近では「テルメ(Thermae Coffee House)」が隆盛を誇っているようだ。 あまりにも売春女性が集まり過ぎて、2001年にはタイのテレビでも「買売春の巣窟」として取り上げられて世論の顰蹙を買った。 以前は夜通しの営業だったが、タクシン首相とプラチャイ内相のナイトスポット […]

◆娼婦ナナ。戦争を始めるのは男たち、代償を払うのは女たち

タイ編 タイ・バンコク。熱帯の夜の喧噪の街をゆっくりと歩いていると、真っ正面から黒いボディ・コンシャスに身を包んだ白人女性が近づいて来た。 売春ビジネスに関わる女独特の視線が絡みついてきた。それに応えると、女は流し目を投げて”How are you ?”(ご機嫌はいかが?)とていねいな口調で尋ねた。 肌はきれいなホワイト、彫りの深い顔立ち、ふんわりと仕上げた肩までのショート […]