カンボジア編シアヌークヴィルのプントッマイで、ひとりの陽気な娘と会った。 若々しく弾けるような肌に、顔中が口になってしまいそうな大きなビッグ・スマイル、そして猫の目の色のようにころころと変わる表情としぐさが忘れられない。彼女の名はサイバーンと言った。 夜中10時過ぎ、ピンクの街灯が灯った売春ストリートを、いつものように、ふらふらと歩いていた。置屋の前を歩くたびに女性たちが喚声を上げて声をかけてくる […]
アジアの貿易国家シンガポールは、リー・クワンユー元首相が作り出した熱帯の実験国家だ。 この卓越した政治家は、マレーシアから独立した後、多様な国民をまとめるために、あるいは国民の大多数を占める中国人の中華色を薄めるために英語を公用語として採用した。 ハイテク化を進め、クリーン&グリーン政策で、おおよそ熱帯の国とは思えないほど清潔な環境を作り上げた。 しかし、逆にそれが国民の極端な監視を生み出した。 […]
インドネシア・ジャカルタから遠く離れた離島に降り立った。そして、真夜中になると島の中心部にモトバイクを飛ばしてもらった。一本のどこまでも続く舗装道路をバイクは順調に走る。他に走っているバイクなど一台もない。 「真夜中は危険だ」とバイクの運転手は顔をしかめるのだが、真夜中にさまようハイエナはこの時間が本番だ。危険だと言われても困ってしまう。危険を承知で夜の街に出かけ、強盗に襲われたら、それまでと観念 […]
あなたは街から漂ってくる魚の焼いた匂いを嗅いで、食欲をそそられるだろうか? 多くの日本人は「もちろんだ」と答える。間違えてもあれが不快な匂いだとは思わない。 しかし、一部のアメリカ人に言わせると、あの魚の焼いた匂いは、どうにも耐えがたい、吐き気すら催すほどひどい匂いなのだという。 アメリカ人は魚の匂いそのものを嫌う人が多い。ツナも食べるには食べるが、「香ばしい匂いだ」と思いながら食べているわけでは […]
ゲイラン・ストリートがシンガポールにおける置屋街の代表だとしたら、オーチャード・タワーは売春ディスコ群の代表になる。そして中でもクレイジー・ホースは現在のオーチャード・タワーのディスコの中ではダントツの人気を得ている。 真夜中にオーチャード・タワーへ出入りする女性たちは99パーセント売春女性たちだ。当然、クレイジー・ホースに出入りする女性もまたそうだ。 店内には英語が飛び交い、彼女たちは英語の渦の […]
もし長い人生の中でたくさんの相手と肉体関係を持ったとする。 それぞれの相手の顔や出来事を暗記力だけで覚えておくとすれば、最大は何人になるのだろうか。 「肉体関係を持った相手を覚えておけるのは何人までが限度か」 という命題は普通の人には何の意味もない。 通常の人間が肉体関係を持つのは1人からせいぜい5人くらい、奔放な人間でも20だとか30人がせいぜいだと何かの統計で見たことがある。 コンテンツの残り […]
ベトナムでは路上のストリート・フックがバイクで、もう何十年も前から彼女たちは「ホンダ・ガール」の名称で知られている。 現地ではもうホンダ・ガールなどと言わないようだが、外国人はいまだにそう言っている。 ホーチミン市の繁華街をうろうろしていたら、ポン引きから女性から声をかけられてそのまま連れ込み宿かホテルで売春することになる。 コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い Log In […]
ゲイラン・ストリートのLor20を入ると、すぐに右側に折れる小路がある。食堂「三友斉」の裏に当たり、夜中に行くと外灯のない小路は闇に吸い込まれるように暗い。 小路に入る入口も奥もインド系の男たちで溢れ、人種の違うアジア系が入って行くと全員がよそ者を見るような目つきでこちらを注視する。 アジア系が主のゲイランでもこの小路だけはインド系が多数を占めており、それ以外の人間が「よそ者」になるのだ。 構わず […]
二十歳《はたち》の頃、何気なくタイへ旅行に行った。はじめての海外旅行でひとり旅だった。見るもの聞くものが何もかも珍しく、旅に有頂天になった。 南国の太陽や文化や食事は慣れれば慣れるほど心地良いものとなってきた。最初は健全な旅行をしていたが、ある日バンコクのパッポンに足を踏み入れた。パッポンはアジアでもっとも有名な歓楽街である。 タイに行ったのなら、ここを訪れないと片手落ちだと思ったのだ。ただ半裸で […]
旅の達人、というのは先進国のせわしない旅行者が考え出した慌ただしく、せわしない行動概念に見える。あるいは、行動マニュアル、というべきなのか。 「旅の達人」は、どういうルートが効率的で、どこのホテルが良くて、そのまわりには何があって何を見るべきか前もって分かっている。 そして、何時に起きて何時のバスや列車に乗れば最短距離で時間のロスもなく次のところに行けるのかも知っている。 コンテンツの残りを閲覧す […]
モルディブのリゾートホテルのスパで売春が行われているというのは、実はもう何年も前からずっと言われてきた。 モルディブに行ったことのない私でさえ知っているのだから、相当な昔から行われてきたものだと思う。 なぜ今さらなのか分からないが、イスラム保守党が2011年12月にこれを批判して、2011年12月29日から、すべてのリゾート・ホテルのスパを閉鎖する命令を出している。 コンテンツの残りを閲覧するには […]
アフガニスタンで、またもや女性に対する暴力事件が注目を浴びている。 7ヶ月前に結婚した15歳の彼女はすぐに夫から売春して働くことを強要されてそれを拒否、それからトイレに監禁され、5ヶ月もの間、夫の家族から拷問を受け続けてきたのだという。 殴られ、蹴られ、生きるためのほんのわずかな水しか与えられず、タバコの火で焼かれ、爪をはがされ、髪をむしり取られ、ペンチで彼女の肉を引きちぎっていた。 コンテンツの […]
オーストラリアでHIVに感染した患者がどこで感染したのかの感染ルートを辿っていくうちに、バリ島でタトゥーを入れたときではないかと判明したという。 売春ビジネスや同性愛や麻薬ではなく、タトゥーでのウイルス感染が証明されることはあまりないので、大騒ぎになっている。 記事では、バリ島のどこの店なのか、刺青師は逮捕されたのかされていないのか一切触れていない。 コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要で […]
プレイボーイの創始者ヒュー・ヘフナーは86歳だ。常識的に考えると、それほど長い余生になるとは思えない。しかし、彼は60歳年下の女性、クリスタル・ハリスと結婚した。2012年12月31日のことだ。 実は、このふたりは2011年にも結婚を発表していたのだが、結婚5日前にクリスタル・ハリスが突如として失踪し、結婚式はお流れになっていた。 そのあと、この女性はヒュー・ヘフナーからもらった高級車や婚約指輪を […]
ノイという女性がバンコクのオープンバーがいた。 スクンビットのナナ駅からアソークに歩いていく途中のオープンバーにいた小柄な女性だった。彼女は今まで知り合ったタイ女性の中で、もっとも英語が流暢だと言っても過言ではないほど素晴らしい英語を話した。 フィリピン女性ならこれくらいの英語を話してもおかしくないが、彼女は正真正銘のタイ女性だ。しかも、その英語は独学で勉強した英語だと言った。 タイ訛りは感じさせ […]
コメにはジャポニカ米とインディカ米という2つの種類があって、世界的には「インディカ米という細長くてパサパサしたコメのほうが主流だ」というと日本人のほとんどはびっくりする。 日本で食べているコメしかコメはないと思い込んでいる人ばかりで、中にはインディカ米など食べるどころか見たことすらもない人もいるからだ。 日本では、インディカ米は日本では捜し回らないと手に入らない。見たこともないものが、実は主流だと […]
シンガポール編 特に何か意味があるというわけではないのだが、売春女性の動きが面白かったので2005年に会員制サイトにひとつの動画を載せていた。 場所はシンガポールの売春地帯ゲイラン。タミル系のインド女性がやってきた男の目の前で狙い澄ましたようにたちふさがる。シンガポーリアンの男が圧倒され立ち止まる。 女性に圧倒されて後ずさりする男。それを追っていく女性。 結局、男は臆したのか、彼女を振り切って行っ […]
セックス依存症というのは本当に聞きなれないものだが、そういうものがあって、これを専門用語ではOOCSB(out-of-control sexual behaviours)と呼ぶらしい。 「制御不能性行動症候群」みたいな日本語を当てられるのだろうが、一般には Sex addicts (セックス中毒)みたいな言い方のほうが馴染みがあるかもしれない。 かつては色情狂(ニンフォマニア)という言葉もあったが […]
1990年代前半、カンボジアは内乱で傷ついた国内の復興のためにPKO(国際連合平和維持軍)を受け入れた。 国際連合カンボジア暫定統治機構、すなわちUNTAC(アンタック)と呼ばれたこの多国籍軍は、不安定で脆弱なカンボジアに駐屯して、停戦の監視や治安維持に務めるのが仕事だった。 自衛隊も派遣されたのでUNTACは日本でもよく知られていたかもしれない。 しかし、しばらくするとカンボジアの昼と夜がまった […]
日本の素人女性の売春が一般化したのは1996年以降だと言われている。ちょうどその頃に「援助交際」という言葉が一般化したように、日本では歴然とした売春の流行があった。 当時の15歳〜20歳だった援助交際世代の女性たちは、今、30歳から35歳になっている。 この世代は、まわりに売春のある日常を過ごしていた。当然、昔の女性(彼女たちの母親の世代)と根本的に違うのは当然だ。 コンテンツの残りを閲覧するには […]
悲劇は突然やってくる。前触れなどまったくない。この日もそうだった。 まだ堕落の街が堕落を剥き出しにしていた一九九九年頃、健在だったライブ・バーに寄ってみようと考えた。かつてはライブ・バーも、その頃は行かなくなっていた。しかしどういうわけか、その日は無性に寄ってみたくなった。 パッポンのハードコアと言えば、二階のライブ・バーになる。一階のゴーゴーバーが決してバタフライ(ビキニの下)を脱ぐことはない。 […]
ベトナム語で「マイ」は「梅」という意味になる。ベトナム人の女の子でマイという名前をつけられる娘は多いようで、ベトナム社会に関われば、あちこちで「マイ」と知り合うはずだ。 印象深かったマイは2000年当時スワイパーの15番館に在籍していた娘だ。彼女の優しさが好きだった。 マイと知り合ったのがいつだったのか、あまり覚えていない。最初はスワイパーの多くの女性に混じっていて目にとまらなかったからだ。 いつ […]
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アメリカは州によって法律が違うが、それは売春の扱いにも言える。アメリカの多くの州では売春が違法だが、ネバダ州の一部では合法だ。 ネバダ州と言えばラスベガスだが、実はラスベガス自体は売春が違法(と言ってもフリーの売春女性がうようよいて信じられないかもしれないが)になっており、合法売春はほとんどが田舎に存在する。 「合法売春宿」というのがネバダ州には30軒弱存在する。そして、その中でも世界で一番有名な […]
カンボジア編プノンペンから延々と11キロ、国道5号線をウドン方面に北上する。 ムスリム(イスラム教徒)の寺院を左手に、クメール人の高床式の粗末な家を右手に見ながら、さらに奥へ奥へと突き進んで行くと、今はもう古びて色あせてしまった「コンドームを使いましょう」という看板が見える。 それを左折すると、そこは「スワイパー」と呼ばれる村である。 ここは「不浄の聖地」だ。地獄に堕ちるのは避けられそうにないほど […]
カンボジア編セックスに言葉は要らない。交渉も指で数字を差し示したら、大抵は通じてしまう。どこの国でもそうだ。 そして、どこを巡っても、特に現地の言葉を真剣に覚える必要はさらさらない。そのほとんどは少々の英語のみで場を乗り切ることができている。 言葉など道具のひとつにしか過ぎないから、適当に使えればいいだけで、必要な言葉は自然に覚えるし、それ以上のものは現地に根を貼りたい人間だけが覚えればいい。 夜 […]