鈴木傾城

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プノンペン市内にあったスラム売春地帯「ブディン」の消滅

カンボジア編夜、プノンペンの独立記念塔を川沿いに向かっていくと、明るくショーアップされた観覧車やメリーゴーランドが目に入る。その遊園地の手前を右に入ると、そこはブディン地区になる。 川沿いには不法居住者が住まうスラム街が広がっているが、ソティオロス通りの一帯は置屋が並んでいた。賑やかな遊園地のところが光だとすると、こちらは影の部分だ。 明日の見えない生活に困窮した男たち、女目当てにライフルを持った […]

娼婦ナナ。戦争を始めるのは男たち、代償を払うのは女たち

タイ・バンコク。熱帯の夜の喧噪の街をゆっくりと歩いていると、真っ正面から黒いボディ・コンシャスに身を包んだ白人女性が近づいて来た。 売春ビジネスに関わる女独特の視線が絡みついてきた。それに応えると、女は流し目を投げて”How are you ?”(ご機嫌はいかが?)とていねいな口調で尋ねた。 肌はきれいなホワイト、彫りの深い顔立ち、ふんわりと仕上げた肩までのショートカットは […]

カンボジア警察。目の前で、ベトナム娘を殴り始めた警察官

UNTAC(カンボジア暫定統治機構)時代、外国からやって来た国連軍兵士たちの日給は130ドルだった。 命を張って戦って1日に1万6,000円。これが高いか安いかは人によって判断の分かれるところだ。 ではUNTAC時代のカンボジア警察官の日給はいくらだったのだろうか。カンボジア警察は月給制なので25日勤務だとして当時の月給9ドルを割ってみる。 すると一日わずか44円という数字が出てくる。同じような仕 […]

◆インドネシアのリアウ諸島はもはや心の中で静かに終わった

かつて、インドネシアのビンタン島南部にあるペランギ・ホテルのまわりは売春宿でいっぱいだった。このホテルから歩いていける売春宿だけでも5軒あった。 少しバイクを出せば10分以内にカラオケ屋が10軒以上もあって、そのすべてが売春カラオケ店だった。マッサージ屋も数軒あったが、そのマッサージ屋も売春宿だった。 コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い Log In. あなたは会員ですか […]

◆ムカデの女。彼女を抱く男は、ムカデのような存在なのか

バンコクは数日ほど灼熱の日々が続いていたが、この日は違った。どんよりと曇っていて遠くに黒く低い雲が見えて風が冷たかった。泥棒よけの鉄柵の入ったホテルの部屋から外を見つめて、雨が来ると思って待っていたが、いつまで経ってもそれは降ってこなかった。 最近はいつもそうだが、この日はいつにも増して偏頭痛が執拗に頭を締めつけていて気分が悪かった。頭痛薬は飲んでいるが、もう薬自体の耐性ができてしまっているのかま […]

ブディンのネイ。引き裂かれるように別れるのが怖かった

プノンペン北部トゥールコック地区の70ストリートに久しぶりに降り立ったとき、そこがかつて知っている70ストリートではないことを知った。いや、それはここに戻る前からいろんな人たちに聞いていて知っていた。今、自分の目でそれを確認したのだった。 あの舗装されていない砂塵の舞い散る荒れた道と、その両脇に建ち並んだバラック小屋の荒んだ光景、そして数えきれないほどの若い娼婦たち……。嬌声や、怒声が飛び交ってい […]

セックス・コレクション。自分を抱いた男を記録していく女

セックスを動画や写真で記録するのが好きな男たちの存在はもう当たり前のように知られていて、そんなことは改めて言うようなことではない。しかし今はすでにその時代を経て、数年も前から女たちがセックスを記録し始めていることに気づいている人はいるだろうか。 男たちが自分の抱いた女を想い出に残したいのであれば、女たちもまた自分の売春相手を想い出に残したいと思っても不思議ではない。 いよいよ数年も前からそういう時 […]

BIBA(ビバ)。シアヌークヴィルの田舎ディスコで……

カンボジア編シアヌークヴィルのプントッマイには「BIBA(ビバ)」というディスコがある。ディスコと呼ぶにはいささか気恥ずかしいこぢんまりとしたところで、入口の手前はテーブル、奥がステージになっている。 空いているテーブルに案内されて席に着くと、一斉にビールガールが自分の所属する会社のビールを飲んでもらおうと売り込み攻勢してくる。 適当に選んでビールを飲んでいると、音楽が変わってみんな輪になって踊る […]

プントッマイ。素朴なカンボジア・シアヌークヴィルの夜

カンボジア編カンボジアで海を臨むことができる唯一の場所はコンポンソムだ。別名はシアヌークヴィルという。 ヴィルというのはフランス語の村(ヴィル)を指している。かつて、ここにはシアヌークの別荘があったので、そういう名前になったらしい。 ポル・ポト政権時代には地名が旧名のソム港(コンポンソム)と変えられたが、ポル・ポト政権が瓦解してから再びシアヌークヴィルに戻された。現在ではシアヌークヴィルの方が通り […]

  • 2011.12.14

◆淡々としたアジアの「路地裏」が、私の愛している光景だ

いろいろな国に行ったときに、何気ない日常をごくたまに写真に残したりするが、その中で路地裏を撮ったものを少しピックアップして載せてみたい。 年代も、国も、まったく違うが、そのすべてに「知っている」と感じさせるような懐かしさや昔のノスタルジーのようなものを感じると思う。 様々な国の観光地ではない日常というのは、まったく飾り気がないので、その素朴さがすべての国に共通して懐かしさを生み出す。 コンテンツの […]

  • 2011.12.14

◆大家族を捨てて核家族に走った日本。その弊害が顕著になる

インドネシアに行くと、都会では小さなカンポン(集落)に若い親たちが核家族で生活している姿をよく見かける。 もっとも、日本の核家族と違って、近所中の人間がやってきたりしていて孤立している感じではない。 そして、少し地方に行くと、ひとつの家の中で親戚一同が全員そこで住んでいるかのような大家族に巡りあったりする。人間環境が濃密だ。 コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い Log In […]

マティーニに巣食う女郎蜘蛛。図柄で金を判断していた女性

カンボジア編プノンペンの高級ホテル、インターコンチネンタル・ホテルの裏に「マティーニ」という1992年に設立されたディスコ・パブがある。 ガンジャの紫煙が漂う小さなディスコで、一癖ありそうな白人や、なぜかアジアでは居心地悪そうな黒人たちが夜の9時前後になると集っている。 安物のテレビゲームには安物の女がゲームに高じ、疲れたような中国人が色の薄いプロジェクターに映された香港映画に目を泳がせて身動きも […]

ワイルド・マリー。野良仕事をする女性の手は嫌いではない

カンボジア編70ストリートで、数え切れないほどの女を抱いた。強く印象に残っている女もいれば、もう忘れかけている女もいる。 70ストリートで一番印象に残った女は誰だろうと、ときどき考える。そうすると、ひとりの天真爛漫な娘が脳裏に浮かんでくる。 この砂塵の舞うストリートを入って中ほど、南側の並びのひとつの建物で、ひとりのクメール(カンボジア)娘をホテルに連れて帰った。彼女は自分のことを「マリー」と言っ […]

ベトナムから来た娘。カンボジアの売春地帯で地獄にあえぐ

カンボジア編カンボジアの売春地帯にはベトナム女性が入り込んでいる。カンボジアで売春地帯をさまようといえば、必ずしもクメール(カンボジア)に出会うということにはならない。むしろ、ベトナム女性に出会うことが多い。 70ストリートでも多数のベトナムから来た女性が売春業に携わっていた。 主流になっている首都プノンペンの売春地帯と言えば63ストリートだが、ここでも多数の女性がベトナムから来ていた。 はじめて […]

◆ガトゥーイ。人は女には生まれない。女になるのだ

タイ・バンコク。胸が悪くなるような排気ガスや、めまいがするほど強烈な太陽はここにはたっぷりある。 バックパックを背負ってこの街を歩いていると、そのうちに倦怠感が襲ってくる。しまいに行き先も分からなくなる。街の中で途方に暮れて突っ立っていると、誰でも焦燥感に駆られる。 二十歳代の前半、体力に任せてこの街を歩き回っていた。タクシーを使って効率良く歩こうなどとは一切考えなかった。バスはよく乗っていたが、 […]

◆リビア内戦でのカダフィ派の集団レイプが少しずつ明るみに

リビアで2011年2月から民主化デモ・反カダフィの暴動が起きたときに、カダフィ政権が反カダフィ派の人々に組織的レイプを奨励したという話が記事に流れてきていた。 これは被害者も表に出てこなかったし、カダフィ派は「敵の卑劣なデマ」だと言い続けていた。一方で、確かにレイプが奨励されて、バイアグラでさえ出回っていたと言われている。 軍命令、あるいは武器としての戦場レイプはあったのか、それともなかったのか。 […]

スタンメンチャイ。プノンペン最大の「ゴミ集積場」で思う

フィリピン・マニラ北部に「ここはフィリピンの恥部だ」と同国の大統領に言わしめた不浄の大地がある。インドのカルカッタと並んで東洋最大のスラムと言われ、地図にも載っていない暗黒地帯だ。 3,000家族、約21,000人が集まり、山の斜面一面に大量のゴミが不法投棄され、いつしか人々には「スモーキー・マウンテン」と呼ばれるようになった。 スモーキー・マウンテンの映像を見たことがある。大量のゴミが不法投棄さ […]

◆インド・コルカタの病院で火事が起きたら患者は放置される

インド・コルカタの病院で2001年12月9日に火災があって、89名近くの患者が煙にまかれて死亡している。入院患者は160名だったということなので、ほぼ半数近くが亡くなったということになる。 病棟の地下に可燃性の物質(石油か?)が貯蔵されていて、それが燃えたことによってあっという間に火が広がっていったと伝えられている。 コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い Log In. あな […]

ディスコ・ベイビー。変わっていくプノンペンと売春する娘

カンボジア編カンボジアはまだまだ貧しい国だ。しかし、首都プノンペンは徐々に復興しつつあり、先進国と変わりないホテルやスーパーマーケットが建てられるようになっている。 もちろんディスコやバーも存在する。旅行者向けには古くからあったが、地元の若者向けのディスコなどもポツポツと見られるようになってきている。 オキデー・ホテルは入口から見て左わきに地元向けディスコを併設していた。 早い時間にふらっと入って […]

  • 2011.12.08

◆ソマリア人のセックスワーカーたちは、顔を見せてくれるのだろうか?

ソマリアの激しい貧困や飢餓は女性たちを死に追いやっているのが、それと同時に海外に出た女性たちが売春に従事している。 ソマリア女性たちは今、中東のみならず、欧米のあちこちで「取引」されていて、米国(ミネソタ州等)でもソマリア人ギャングを通して売春させられている。 コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い Log In. あなたは会員ですか ? 会員について

  • 2011.12.07

◆血まみれの行事が自爆テロで襲われて本当の「血まみれ」に

2011年12月6日、アフガニスタンの首都カブール、イスラム教シーア派を狙った自爆テロがあった。 警察によると子供や女性を含む58人が死亡、135人が負傷した。これは現在の数字で、現場を見てみると死者もまだ増える可能性はある。 また、北部のモスクでもシーア派住民を狙った爆弾テロがあり、4人が死亡、3人が負傷している。 タリバンは関与を否定し、イスラム教スンニ派の武装勢力「ラシュカレ・ジャングビ」が […]

◆墓地で若い女性の遺体を漁る、おぞましく堕ちた死体性愛者

2011年11月8日に奇妙なニュースが報道されていた。ロシア西部ニジニーノブゴロドで、45歳の男が墓地から白骨になった遺体を29体も盗んでいた。 しかも、その男は白骨死体にドレスを着せて自宅に飾っていた。逮捕されたのは、アナトリー・モスクビンという名の博士号を持つ男で、地元では墓地に強い興味を抱いていたことで知られていた。 コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い Log In. […]

◆レイプされ、殺され、全裸のまま冷蔵庫に詰め込まれた女性

閲覧注意タイで、レイプされて殺され、冷蔵庫に無理やり詰め込まれていた事件があったのだという。 詳しい背景はよく分からないのだが、写真だけはたくさん出回っているので、とりあえず記録しておきたい。 レイプされて殺されたという事件は世界中で毎日起きている。しかし、この事件で猟奇的なのは、死体を冷蔵庫に無理やり詰め込んで隠していたという部分である。 コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願 […]

◆名前も国籍も知らないのに、あなたと結婚したいという女

イサーンの入口と言われているコラート(ナコン・ラチャシーマ)はバンコクから二五〇キロほど離れたところにある。東西に細長い都市で、タオ・スラナリ像を中心として、東側が旧市街、西側が新市街になっている。 バンコクのように高い高層ビルが林立しているわけではないが、それなりに賑やかな商業都市でとても過ごしやすい。 昼間の暑さはバンコクと遜色ないのだが、夜になるとぐっと気温が下がって過ごしやすくなる。ここは […]

雨の日の夜総会。激しい雨が降りしきる日、ある娘と出会った

カンボジア編熱帯地方のスコールは、思い切り激しく降ってから晴れるというのが一般的だ。 しかし、プノンペンの8月や9月をそう思って行くと、いつまでもやまない雨にイライラすることになる。もちろん激しく降ってさっとやむスコールもあるが、日本の梅雨のような鬱陶しい雨も多い。 これは異常気象というわけではなく、どうやらそういうものらしい。長い雨が続くと、とたんにメコン川などが氾濫してコンポンチャムやプノンペ […]

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