衝動的な凶悪事件を引き起こす人間が結果的に野放しになっている理由とは?

衝動的な凶悪事件を引き起こす人間が結果的に野放しになっている理由とは?

異常で危険な性格を持った人間が世の中にはいる。

他人をいたぶって喜ぶ残酷な人間や、不平不満にまみれて憤怒や嫉妬や怨念や執念でいっぱいになった人間や、極度なまでに自己中心的な人間や、突如として意味もなく怒声を張り上げたりするような人間がいる。

急に常識では考えられないような行為に走る人間や、前触れもなく火がついたようにキレる人間や、平気で犯罪を犯したり他人を傷つけたりして、信じられないような自己弁護をする人間がいる。

こうした人間がみんなきちんと治療を受けていたり、どこかに隔離されていると思ったら大間違いだ。ごく普通の顔をして、普通に仕事をして、普通に日常生活を送っていることも珍しくない。

なぜか。彼らは「いつも異常ではない」からだ。

些細な問題やトラブルは頻繁に起きているのだが、普段は決定的に異常というわけではないのだ。精神のコントロールが効く時と効かない時があって、効いている時は普通に見えるのだが、そうでない時に異常な行動が起きる。

「いつも異常ではない」から、病院や隔離された場所にはいない。普段は普通に見えるから、彼らは社会のどこかで普通に暮らしている。致命的な事件を起こすその日までは……。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

あたかも「普通の人」のように社会に溶け込んでいる

昔から異常犯罪や衝動殺人は一定数見られてきたし、世界中のどこでもそういった事件は報告されている。加害者とは何ら接点のない人が、突然狙われて被害者になり、むごい殺され方をしていく。

しかし、加害者はあたかも「普通の人」のように社会に溶け込んで生きている。

この異常者の人生を長く観察すると、様々なトラブルを引き起こしていて明らかに異常であるにも関わらず、かろうじて基本的な社会生活を送ることができている。そう言った意味で、あからさまな異常者ではない。

正常と異常の狭間を行ったり来たりしている。言ってみれば、「ときどき正常者、ときどき異常者」である。その異常な精神状態にある時に殺人事件などを引き起こして、その時に初めて「根本的に治療が必要なほどの重度の異常だったのだ」と気づくのである。

同じ殺人事件でも、いじめられて「社会や学校に対して強い憎悪や憤怒を感じていた」というのは、どちらかと言えば正常な人間に近い感情を持ち合わせている。因果が分かるからだ。

しかし、「瞬間的に誰かを殺したくなった。誰でもいいから殺した」とか「太陽が暑かったから人を殺した」という、理不尽でその人間にしか理解できないような理由で、思いつきで瞬間的に人を殺す人間もいる。

それまでは普通の日常生活を送ってきたはずなのに、突然タガが外れたかのように衝動的な殺人に走る。

統合失調症とも、神経症とも違う。普段はきちんと服を着て、教育もあって、時間も秩序も社会的な決まりごとも把握している。そして、ある程度まで社会の規範に従って生きている。

しかし心理状態は明らかに異常で、どこか正常と異常のはざまを揺れ動いている。社会生活を送れるが、問題も引き起こしながら生きている。まるで正常と狂気の境目をうろうろしているような、危うい精神状態なのである。

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一気に爆発して取り返しのつかない犯罪に走っていく

精神科に訪れる人たちの10%は人格障害を発症している。そして、そのうちの半数は、日常生活を送りながらも、正常と狂気の境目をふらふらと行きつ戻りつしながら暮らしている。

精神科に来ない人も圧倒的に多いのだから、どれだけの人がそうなのか分からない。精神的な異常を抱えながらも日常生活はきちんと行われているので、普通に暮らしている。

普通に、というのは比喩ではない。本当に普通に仕事をしていて給料をもらって生活をしている。普段の行動も知的レベルも問題がないのだから、心に異常を抱えていても何とか暮らしていける。

しかし、何かがおかしいのだ。

極度に感情の起伏が激しかったり、突飛な行動をしたり、信じがたいまでに利己主義だったり、病的なまでに何かに執着したり無関心だったりして、対人関係に問題を抱えているケースが多い。

そして、ある時に何らかの理由で精神的なバランスを崩すと、一気に爆発して取り返しのつかない犯罪に走っていく。自制のコントロールが外れ、意味もなく人を殺してみたり、小さな動物や弱い存在を虐待してみたりする。

なぜ、そうした人がいるのか原因は分からない。生まれつきなのか、それとも後天的なのかも分からない。

複雑な家庭環境、虐待、過保護、放任がそういった人々を生み出す可能性があるとも言われているが、まだそれが確定されているわけでもない。先天的であると考えている医師もいる。

もっとも、感情や行動のコントロールが難しくなるからと言って、誰もが犯罪者になるわけではない。ほんの一部の人が爆発的な感情にとらわれて狂気を暴走させる。

事件にならない狂気もある。たとえば、尋常でない過食、無謀なギャンブル、リストカット(自傷)などは異常だが表立った事件にならない。

公衆の面前で全裸になったりすることもある。公共の場でマスターベーションすることもある。道端で叫んだり、徘徊したり、威嚇することもある。誰も通報しなければ、これも事件にならず、社会の闇にすっと消えていく。

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危険な性格を内に秘めながらも普通に暮らしている人間

危険な性格を内に秘めながらも普通に暮らしている人間は、日頃から対人関係にトラブルを起こしていることが多い。だから、本来であれば注意深く見守る必要がある。

いったいどんな人間が危険なのか? いくつか分かりやすい兆候・問題行動を上げてみたい。下記の極端なものを持ち合わせている人がいる。

(1)平気で妄想のような嘘をつく。
(2)問題はすべて人のせいにする。
(3)何でも他人に依存する。
(4)約束を平気で破って反省もない。
(5)誰かを猛烈に罵倒中傷する。
(6)突如として態度を豹変する。
(7)傲慢になり、自己否定的にもなる。
(8)激しい思い込みをする。
(9)激しい決めつけをする。
(10)気分・感情がころころ変わる。
(11)ギャンブル、麻薬、セックスに溺れる。
(12)非常に子供っぽい面がある。
(13)盗癖がある。意味もなく万引きする。
(14)危険で極端な行動に走ることがある。
(15)突如として、癇癪を爆発させる。

もちろん、人間は生きていて感情を持ち合わせているから、誰でも常に感情がコントロールできているわけではない。意味もなく怒りたいときも泣きたいときもある。めちゃくちゃなことをしたい日もある。

しかし、何をするにしてもそこには一定の自制とコントロールが効いている。むしゃくしゃしたから急に電車の中で叫ぶこともないし、隣の人を殴って首を絞めることもない。人を殺すこともない。

普通はそうだ。しかし、世の中にはそうではない異常で危険な性格を持った人間がいるのだ。平常と異常の境目をふらふらと行き来して、それでも普通に社会のどこかで生きていて、事件を起こすその日まで普通に暮らしている。

事件が起きて、誰かが犠牲になって、初めて異常が異常であると認識される。「いつも異常ではない」から、致命的な何かが起きるまでは分からない。衝動的な凶悪事件を引き起こす人間が結果的に野放しになっている理由はここにある。(written by 鈴木傾城)

異常な人間がみんなきちんと治療を受けていたり、どこかに隔離されていると思ったら大間違いだ。ごく普通の顔をして、普通に仕事をして、普通に日常生活を送っていることも珍しくない。なぜか。彼らは「いつも異常ではない」からだ。

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