グローバル化というのは、暴力を増幅する装置でもあったのだ

グローバル化というのは、暴力を増幅する装置でもあったのだ

ドナルド・トランプ大統領がアメリカに入り込んだメキシコ人の不法移民に対して「ゼロ・トラレンス」政策で次々と追い返して大きな問題を生み出すようになっている。(ブラックアジア:今、アメリカで起きている不法移民に対する重大な動きとは?

アメリカのマスコミは、たとえばCNNもNYタイムズも主だったところはほとんどがリベラルだ。

そのため、アメリカのマスコミは「トランプ大統領によって引き裂かれるメキシコ人家族」という部分に強い焦点を当てて報道している。

端的に言えば、連日のようにアメリカから追放される不法移民の家族の悲劇を取り上げ、トランプ大統領を「血も涙もない」と攻撃しているのだ。

法を破っているよりも法を厳格化しようとしているトランプ大統領の方が悪者になっている。

実はその裏側で、メキシコから大量に流入してくるドラッグや銃による暴力や密輸などの問題は軽視されていて、ここにアメリカのマスコミのリベラル偏向が現れている。

トランプが「なぜ」メキシコの不法移民を追い返そうとしているのかという根源的な部分を取り上げないのである。

グローバル社会は最終的に暴力の世界を生み出す

しかし、ドナルド・トランプという異端児が大方の予想を覆して大統領になったのを見ても分かる通り、アメリカ人は「自国がリベラルによって弱体化させられている」という思いを強く持つようになっている。

リベラルに対する反発と、リベラルが推進するグローバル化に対する敵愾心を持つようになったのだ。

アメリカの場合、グローバル化に対する反抗心はアフガニスタン・イラク戦争の相手であるイスラム教徒や、国境を接しているメキシコに向けられている。

つまり、イスラム教徒とメキシコ人に敵愾心が向き、対立と憎悪が湧き上がっているのである。

トランプ大統領は対立を恐れない大統領であり、だからこそメキシコと激しく衝突しているのだが、これを受けてメキシコ側もアメリカに強い敵意を向けるようになった。

今後、メキシコは大統領選を経た2018年7月以後、石油産業の再国有やNAFTA(北米自由貿易協定)再交渉をしてくる。民族対立、経済対立、貿易対立のすべてが揃う。

何が起きるのかは明白だ。メキシコ経済は急激に悪化し、貧困層の群れが国を覆い尽くし、治安はさらに悲惨になっていく。貧困層が金持ちのアメリカ人に売れるのはドラッグしかないから、ドラッグ・カルテルは死ぬどころか、むしろ逆に膨張する。

そして、それがまたアメリカとメキシコの対立につながっていくことになる。こうした動きを見ても分かる通り、グローバル社会になって起きているのは、対立と憎悪と暴力の先鋭化である。

一方のEUでは「移民反対・EU反対」を公然と主張する保守派が台頭するようになり、EUの盟主でありリベラルの総本山となっているドイツのメルケル政権も急激に弱体化している。

メルケル政権の弱体化は、当然のことだがグローバル化の弱体化でもある。

民族と民族が互いに対立・衝突するようになり、憎悪が拡大している。「民族は民族に、国は国に敵対して立ち上がる」と新約聖書の中である通りの現象が起きている。

グローバル社会では必ず対立構造が発生する。さらに現在は、この対立を一瞬にして増幅するインターネットというシステムもある。

憎悪が行き着くところには暴力が待っているので、グローバル社会は最終的に暴力の世界を生み出していく。

憎悪というのは、1種類ではない。8種類ある

現代は、平和に向かって突き進んでいるのではない。対立と暴力に向かって突き進んでいる。

グローバル化して世界が広がると、個人も、組織も、宗教も、国家も、自分たちに敵対する存在がそこにあることに気付く。

今までの狭い世界では気付かなかった「敵」をグローバル化した社会では見つけることができるのである。インターネットで自分を調べたら、誰もがそこに自分を攻撃している「他者」も一緒に発見する。

敵対者を見つけたら、どうするのか。

多くの人間は自然な感情として相手に対して嫌悪や憎悪を抱くようになる。敵対者が執拗であったり、巨大であったりすればするほど、その憎悪は大きなものに膨らんでいく。

インターネットはまさにグローバルに、自分に対する憎悪を発見する場所なのである。

だから、インターネット社会が突き進めば突き進むほど、そしてグローバル化が進めば進むほど、世の中は憎悪と暴力の時代になっていくのだ。

憎悪とひとことで言っても、その憎悪の種類は1つではない。憎悪にも多くの憎悪がそこにある。

グローバル化した社会は、この8種類の憎悪のすべてを増幅させ、共有させ、膨らませ、拡散していく。それぞれの憎悪は互いに絡み合い、輻輳(ふくそう)し、積み重なっていく。

そのため、いったんこの8つのうちのどれかで対立と衝突が生まれると、それは野火のように広がって、どんどん状況が悪化していくことになる。

憎悪が行き着くところには、暴力が待っている

いったん対立が生まれ、憎悪が生まれると、それがなかなか解消されないのは、憎悪を生み出すすべての問題の根は、自分のプライドやアイデンティティに関わっているからだ。

相手がそれを否定していると、それは自分のアイデンティティを否定されたことになる。だから、それは両者共に譲れないものになる。

自分の譲れないものを相手が攻撃してくるのだから、理性的な解決に至るよりも、暴力的な衝突に向かう確率の方が高い。

インターネットやグローバル化した社会が、それを「増幅」するのであれば、なおさら暴力に向かう確率が高まる。

アジアでも対立の種は蒔かれており、特に中国が周辺国家に大きな緊張を与えるようになっている。

中国は北朝鮮のような独裁国家や、カンボジアやミャンマーのような貧困国家には金を与えて、中国に依存する体制を構築している。

ウイグルやチベットのような反中国には激しい軍事的恫喝を与えて弾圧する。台湾や日本のような先進国には工作員を大量に送り込んで内部工作を推し進めて国家転覆を画策する。

そうすることによって最終的に生まれているのは、やはり憎悪や暴力なのである。

もともとは暴力が横行しているアフリカ大陸や中東、政治的腐敗と汚職で混乱しつつある南米、多文化主義の失敗で激しい内部抗争が起きているEUやアメリカ……。

国家間の対立を緩和し、平和な社会を作り出すための存在である国連も、今や何の役にも立っていない。

そのため、憎悪は世界中のあちこちで芽を出して育ち、膨張し、それが対立と衝突と激しい暴力を生み出し、最後には血みどろの世界を出現させるのである。

グローバル化は凄まじい混乱を煽り立てる。対立と衝突を生み出す。世界を緊張させる。グローバル化というのは、暴力を増幅する装置でもあった。

憎悪は世界中のあちこちで芽を出して育ち、膨張し、それが対立と衝突と激しい暴力を生み出し、最後には血みどろの世界を出現させるのである。グローバル化は凄まじい混乱を煽り立てる。対立と衝突を生み出す。世界を緊張させる。グローバル化というのは、暴力を増幅する装置でもあった。

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