◆一軒のバーが摘発されているが、アンヘレスには部外者には分からない愛もある

2025年6月1日、フィリピン・パンパンガ州の歓楽街アンヘレス市のバリバゴ地区で、一軒のバー「フィールド・センセーション」が摘発されている。摘発をおこなったのは、フィリピン司法省傘下の国家捜査局だった。

この作戦で逮捕されたのは5人。彼らはいずれも店の運営、女性の募集、客との仲介にかかわっていたとされる。同時に、店内にいた45人の女性が保護された。

摘発のきっかけは、外部からの通報だった。

2025年5月19日、民間のNGO団体が、この店で人身取引がおこなわれていると当局に情報を提供した。国家捜査局はこれを受けて内偵に入り、約2週間後に踏み込んだ。注目すべきは、この団体が動かなければ、この店の実態は表に出なかったことだ。例によって、行政による監視は機能していなかった。

バリバゴ地区は、アンヘレス市のなかでも特異な場所である。

この地区を貫くフィールズアベニューは、夕方5時頃から深夜3時頃まで車両の進入が制限され、歩行者天国となる。通りの両側には、ゴーゴーバーと呼ばれる形態の店が密集している。

フィリピンでは売春は違法だが、この通りでそれに類する行為がおこなわれていることは公然の事実だ。

とすれば、摘発されたバーも外国人が出入りするバーなのかと思うが、このバーは英語圏の裏サイトにも、アンヘレスのバー情報を網羅的に扱う専門サイトにも、まったく記載がない。

つまり、外国人観光客が普通に足を運ぶような有名店ではなかった。地元の男たちが集う場末のバーであったのだ。バリバゴ地区には表通りではなく、路地裏だとか中心地からかなり外れたところに、場末と言ってもいいようなバーがいくつもある。

バーの雰囲気は安っぽく、女性もやる気がなく、やってくる男たちも落ちぶれた感じでB級ともC級とも言えるバーだ。私は好んでそういうバーにも足を運んでいたが、摘発されたのも、おそらくそうした類いのバーだったのだろう。

この先のコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。会員の方はログインをお願いします。 ▶ .

コメント

タイトルとURLをコピーしました