◆【連載記念特典】未成熟な性器が壊されないよう、神に祈るしかないアンジェラ

連載「アジアの暗黒街で愛を探した男」にて、第14回の記事『インドのソナガチ、ムンシガンジ、ボウバザール……3つの暗黒街を渡り歩いた男が、あるビルの「上階」で出会った”目を閉じても目が開いて見える女”』が公開されております。ブラックアジアではあまり自分のことは書きませんでしたが、こちらでは自分のことを中心に書いております。

これを記念して、『ブラックアジア売春地帯をさまよい歩いた日々インド・バングラ編』の記事、『未成熟な性器が壊されないよう、神に祈るしかないアンジェラ』をこちらで全編掲載したいと思います。

ブラックアジア

未成熟な性器が壊されないよう、神に祈るしかないアンジェラ

インド西ベンガル州の州都はコルカタである。ムンバイと並ぶインド屈指の大都市であり、私がインドで最も愛している地区だ。

かつては「カルカッタ」と呼ばれていたのだが、ヒンドゥー至上主義者は「カルカッタというのはイギリス人に押しつけられた地名なのでインド古来の地名に戻す」と名称を「コルカタ」へと変更した。以後、この地区はコルカタとなり、今に至っている。

イギリスがインドを植民地にした際、植民地を統括する最強の企業「東インド会社」をこの場所に設置したことによって、それまでは一大ジャングル地帯だったこの地区は急激に大都市化していき、今も郊外に向けてどんどん都市開発が進んでいる。

このコルカタのにある最大の売春地帯が『ソナガチ』だった。このソナガチで多くの女性と知り合った。

アンジェラという女性がいたのもソナガチだった。彼女はこのソナガチの中ほどの建物の三階に、息を殺すようにひっそりと生きていた。

彼女のいた売春窟は、異様な雰囲気が漂っている場所だった。部屋には窓が一切なく、完全に密閉されていた。階段のわきでガスコンロから大量の火を放出させながら一人の男が何か食べ物を作っている。

薄暗闇の中で、めらめらと燃える火が悪魔的で、階段を上がりながら奥へ奥へと入り込むと、もしかしたらもう二度とここから出られないのではないかという心配に駆られるほどだった。

そんな悪魔的な空間の中で、得体の知れない男女が薄暗い室内におびただしく座り込んでいる。女たちは影の中に佇《たたず》んでいて、美しいというよりも恐ろしかった。男たちは売春窟に入り込む客をじっと凝視して身動きすらしない。

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