
6月28日午後9時55分ごろ、神戸市兵庫区福原町のソープランドの一室で、33歳の風俗嬢と、同じく33歳の客の男が血を流して倒れているのが見つかった。部屋には血が飛び散って凄惨なことになっていた。
2人とも搬送先の病院で死亡が確認された。女性は首の左側と左胸に複数の刺し傷を負ってソファに横たわり、男はベッドにうつぶせの状態で、左胸には刃物が刺さったままだった。司法解剖の結果、2人の死因はいずれも失血死だった。
発見の経緯も異様だった。男は当日、6時間の枠で女性を指名して来店していた。利用時間を過ぎても部屋から応答がなく、男性スタッフが確認に向かったところ、扉は内側から施錠されていた。
鍵を開けて室内に入ったスタッフが目にしたのは、服を着たまま倒れている男女の姿である。第三者が介入した形跡はなく、完全な密室だった。兵庫県警は男が女性を刺殺したあとに自らの胸を刺した無理心中とみている。
現場は神戸電鉄・新開地駅から300メートルほどの距離にある、関西最大級のソープ街として知られる福原地区だ。事件直後を目撃した男性は、胸にナイフが刺さったままの男がブルーシートに包まれてストレッチャーで運ばれていく光景を証言している。
50店舗以上がひしめくこのソープ街でも、営業中の店内で客が嬢を刺殺して自死するという事件は前例がない。
死亡した女性は、界隈で知らぬ者のいない高級店のトップ嬢だった。そして男は、彼女から「エースニキ」と呼ばれた最上級の太客だった。3日に1度のペースで通い、月100万円以上を注ぎ込んでいたという証言もある。
カネを落とし続けた男が、なぜ刃物を持って個室に入ったのか。
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