◆ジブチが売春とエイズまみれに。アフリカのイスラム国家がなぜこうなったのか?

アフリカ大陸の北東、紅海とアデン湾が交わる地点に、ジブチという小国がある。面積は日本の四国の少し大きいほど、人口はおよそ100万人。資源もなく、農業に適した土地もほとんどない。

国土の大半は砂と岩と塩湖が広がる荒地で、夏には気温が45度を超える。経済的に見れば、何ひとつ豊かさの条件をそなえていない国だ。

この国に、世界の軍事大国がこぞって集まってくる。

米国、中国、フランス、日本、イタリア、サウジアラビアが軍事基地を置き、ロシア、スペイン、ドイツ、イギリスも部隊を展開している。理由はただひとつ、ジブチの位置にある。

紅海の入口にあたるバベルマンデブ海峡をおさえるこの場所は、スエズ運河を通る世界の海上貿易の大動脈に直結している。世界の貿易量の多くがこの細い海峡を通過する。だからこそ、各国はこの荒地に金を払ってでも兵を置きたがる。

軍が集まれば、カネが動く。基地の賃料、物資の調達、現地雇用……。そして、社会の裏側で、もうひとつの経済がこの国の夜に根を張っていく。基地から解放された数千人の兵士たちが向かう先は「夜に生きる女たち」のところである。

ジブチでは売春は法律で禁じられている。だが、そんなものは建前にすぎない。

バーやナイトクラブに集まる女たちは、隣国エチオピアやソマリア、エリトリアからやってきた者が多い。彼女たちはなぜ国境を越え、敬虔なイスラムの国であるはずのこの地で、外国の兵士たちと夜を過ごすのか。

もちろん、答えはひとつである。貧困から逃れるためだ。兵士たちはカネを持っている。彼らはセックスを求めている。身体を売ればカネが手に入る。だから、基地のある場所は、世界中どこでもだいたい売春地帯が生まれる。

ジブチもそうした国のひとつだったのだ。

この先のコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。会員の方はログインをお願いします。 ▶ .

コメント

タイトルとURLをコピーしました