
2026年5月25日の早朝、タイ東部チョンブリ県パタヤ市内のサウスパタヤにあるホテルの3階から、血まみれのトランス女性が階段を駆け下りてきた。フロントにいたスタッフが目撃したのは、顔から血を流し、まともに立てない状態のレディボーイだった。
事件が世に出たのは、被害者の友人であるベル・アピサラがFacebookに動画を投稿したことによる。
映像には血だらけの室内と、重傷を負った被害者の姿が映っていた。投稿には被害者自身の「ひどく殴られた。部屋から出させてもらえなかった。友だちが助けに来てくれなければ、生き残れなかったと思う」というコメントも添えられていた。
被害者はタナワット・トンドゥアン、25歳。
顔に19針、手に8針、足に4針、合計30針近くの縫合を要する重傷だった。加害者は中国人男性チェン・ウェンタオ、22歳。5月23日にそのホテルへチェックインし、1泊750バーツで滞在していた。
暴行がおこなわれたのは5月25日の未明だ。
チェン・ウェンタオは事件後すぐにホテルを脱出し、500バーツの保証金を受け取ることもなく逃げた。翌朝11時20分、スワンナプーム空港を経由して中国・長沙へ向かう便に乗り、タイを出国した。
室内は激しい争いの跡が残っていた。米が床に散乱し、割れたグラスやボトルが転がり、ベッドには多数の血痕があった。被害者の証言によれば、チェンは殴るだけでなく、割れたガラスを顔に叩きつけた。
被害者は逃げようとするたびに阻止され、逃げ場はなかった。
パタヤ市警は被害届を受理し、CCTV映像の解析と目撃者の聴取を進めている。パタヤ地方裁判所への逮捕状発付申請も準備中だ。しかしチェン・ウェンタオはすでに中国本土にいるので、もしかしたら中国側は動かず、逃げ切るのかもしれない。
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