
ネットフリックスで大ヒットして続編も予定されている映画『ヒーラマンディ』というドラマが物議を醸したのは日本ではほとんど知られていない。
2024年に配信が始まったこのインド製シリーズは、植民地時代のラホールを舞台に、「タワーイフ」と呼ばれる女性たちの生涯を描いた大作だった。豪華な衣装、魅惑的なダンス、そして独立運動へのかかわり……。予告編を見ただけでも、その過剰なまでの豪華絢爛さが目に焼きつく。
物議を醸したというのは、この映画がまったく史実に沿っていないからだ。パキスタン出身のジャーナリストなどは、「監督が提示したタワーイフは、非常にロマンチックに美化された、空想上の産物だ」と批判している。
実は、パキスタンでは「タワーイフ」と言うのは別称でもある。
日本で言うところの「淫売」のようなニュアンスだろうか。それをインド側がやり過ぎなまでに美化して独立運動の戦士のような扱いで描いたものだから、パキスタン側から「あまりにも馬鹿馬鹿しい」と嘲笑すら受けたのだった。
それで、「タワーイフ」という立場について、本当のところはどうだったのか平行線の論争が湧き上がっていったのだった。
ちなみに題名の『ヒーラマンディ』とは現在はパキスタンにある地名で、最近まで「踊りを見せる娼婦」たちがいる場所でもあった。やはり、不道徳な場所だとして嫌われていて、すでにその場所は衰退してしまっている。
パキスタンでは、「タワーイフ」はどこまでも「淫売」に他ならず、舞踏のパフォーマーとして評価する人々がいたとしても、基本的には下劣な存在として唾棄されていたとも言える。
インドとパキスタンは非常に険悪な仲なのだが、タワーイフを美化するインドと、タワーイフを蔑視するパキスタンで、この映画を巡っても文化論争が勃発して、それが今も続いているのだった。
ところで、私はインド舞踊は本当に好きで、ヒーラマンディが全盛期だった頃の踊り子兼娼婦だった女性の古い動画も好んで見ていた時期がある。彼女たちの踊りも、ファッションも、存在感も大好きだ。
実際、タワーイフはどういう存在だったのだろうか?



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