タイの歓楽地パタヤでイギリス人の女性が行方不明になった。彼女は、英国北東部ビリンガムの出身で、18歳だった。彼女は看護学生として日々を送っていたが、イースター休暇がはじまるとすぐに「東南アジアに旅行にいく」と言い出してイギリスを発った。
母親は「タイへ行かないでほしい」と引き留めたが、娘は現地で知り合った友人と会うことを望んだ。家族はその「現地の友人」が誰なのかまったくわからなかったが、娘の交友関係を詮索はしなかった。
彼女はまずフィリピンで数週間過ごしたのち、5月初旬にタイのパタヤへ到着したとされている。家族は彼女と頻繁に連絡を取っており、母親のリアン・ケネディさんは「土曜日の午後5時半にFaceTimeしよう」という約束までしていた。
ところが、その日を境にカリーさんからの連絡は途絶えた。携帯電話の電源も切られ、SNSの更新もぱったりと止まってしまった。
家族は彼女の身に何か異変があったと考え、英国のクリーブランド警察に行方不明届を提出した。外務・英連邦開発省(FCDO)も家族支援に乗り出し、現地タイ当局も「高優先度」案件として捜査を開始した。
パタヤ近辺での聞き込み、入出国記録の確認、SNSを通じた情報拡散など、捜索は広範囲にわたった。そこでわかったのは、彼女がバンコクからフランクフルト経由の航空券が予約しており、その支払いが完了していないことだった。
タイ当局も困惑した。タイからすでに出国していた形跡も確認されたが、その後の動向については、どの国にも明確な記録が残っていなかった。奇妙なことに、出国した記録はあるのだが、どこかの国に入国した記録がなかったのだ。
状況は混迷を極め、真相は深い闇に包まれていった。現地メディアも警察発表を待つばかりで、ネット上ではさまざまな憶測や噂が飛び交った。英国警察は行方不明者リストにカリーさんを登録し、国際的な情報共有を進めていた。
そして、彼女の居場所が判明した。彼女はどこで見つかったのか? それは想像もつかない場所だった。