パンデミック前の2019年あたりに、埼玉のデリヘル店で伝説を轟かせていた風俗嬢がいた。私はその女性に会ったことがないのだが、何でも彼女は「くじら」の異名があるほど豪快に「潮を吹く」というので、そういう趣味のある男たちのあいだでは有名だった。
彼女自身も、それを「売り」にしていて、噂を聞いた男たちが日本全国から彼女の「くじら」を体験するためにやってきたという話だった。ところが、彼女の噂はパタリと消えた。突如として彼女はデリヘル店を辞めた。
真偽はわからないのだが、身体を壊して風俗から去ったという話だった。
その後、面白いことに横浜でも「信じられないほど潮を吹く女性がいる」と話題が出たのだが、その話題はパンデミックと共に消えた。もしかしたら、それは埼玉の「くじら」だったのか、まったく別の女性だったのかはわからない。
そして、1年ほど前には池袋でも「猛烈に潮を吹く女性がいる」と噂が広まった。このような特異な体質の女性を好む男が多いのか、彼女はたちまちそのデリヘル店のランカーになったのだが、やはり彼女もひっそりと姿を消した。
実は伝説にはならないまでも、体質として「潮を吹く」ことを公言している風俗嬢は意外に多い。多いのだが伝説にまでに至らないのは、おそらく量が控えめだということなのだろう。
とすれば、全国から男を集めるほどの「伝説」を持つ女性というのは、いったいどれだけすさまじいのか想像もできない。
私は東南アジアの売春地帯やインドの売春地帯で「潮を吹く」女性なんか見たことがなかったので、日本の風俗嬢の「体質」の多様性には驚くばかりで言葉もない。そういう女性がランカーに入りやすいというのは、それを好む男もまた多いということなのだから、世の中はうまくできているとも言える。