歌舞伎町で働くデリヘル嬢のひとりが「たまに鶯谷に呼ばれることがあって行くんですけど、鶯谷の駅は降りるだけでもちょっと抵抗がある。だって、女性ひとりがそこで降りたら絶対に風俗嬢だと思われるから」と言っていた。
私はそれを聞いて「たしかに」と思ったのだが、じつは同じことは男にも言えて、この駅を男ひとりで降りると「この人は風俗を利用するに違いない」と邪推されているようにも思える。
そういうわけで、鶯谷は山手線でもっとも嫌われている駅でもある。(ブラックアジア:鶯谷(うぐいすだに)。山手線内で最も嫌われている場所)
JR山手線の鶯谷駅北口周辺には約50軒のラブホテルが密集しており、どこか異様な雰囲気がある。駅を降りると、あちこちに女性がスマートフォンの画面を見ながら立っていたりするのだが、彼女たちはほとんどがデリヘル嬢で客と待ち合わせしてホテルに向かっていく。ラブホテルが多いのでやはりデリヘルが中心となっている。
ここからタクシーでどこかにいく女性がいたりするのだが、彼女たちはおそらく吉原に向かうソープ嬢だ。鶯谷は吉原の送迎の拠点ともなっているからだ。
この鶯谷のデリヘル店は、価格帯は比較的低めに設定されており、大衆向けのサービスが主流である。地雷店を標榜する店も鶯谷が拠点だ。ただし、AV女優や元アイドルなどの経歴を持つキャストを擁する高級店も一部存在する。
キャストは自宅や事務所やネットカフェなどで待機し、予約に応じて指定されたホテルへ向かう形式を取っている。この形態により、主婦や学生なども柔軟な勤務形態で働くことが可能となっている。
裏の男たちの情報では、「鶯谷は風俗嬢の終着点」とも言われており、他の地域で働けなくなった40代以上の女性も多く集まっているという。中には60代や70代のキャストも在籍している。
鶯谷は風俗業界の中でも特に低層とされる地域であり、経済的に困窮した女性たちもおびただしく存在する。それこそ、「その日暮らし」の女性すらもいる。