
馬鹿な政治家がこれからも馬鹿な政治を続けていくのであれば、日本という国はひたすら社会的劣化を繰り返しながら貧しくなっていき、どこかで先進国から脱落してしまうはずだ。今の日本が向かっているのは、そういう世界であることを私たちは理解しておく必要がある。(鈴木傾城)
プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。著書は『ボトム・オブ・ジャパン』など多数。政治・経済分野を取りあげたブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営、2019、2020、2022年、マネーボイス賞1位。 連絡先 : bllackz@gmail.com
国民生活を劣化させる政治の行く末
アメリカはトランプ大統領という既存社会をぶち壊す大統領が誕生した。なぜなら、アメリカは閉塞感に見舞われていて「今の社会をぶち壊して欲しい」と考えているアメリカ人が臨界点を超えたからだ。
日本はどうだろうか。日本も長い閉塞感の中にいる。そうであれば、「今の社会をぶち壊して欲しい」と考える人々が増えていくのは間違いない。
日本は30年以上にも渡って愚鈍な政治家が馬鹿な政治をだらだらと続けて、もはや手遅れになってしまった国である。手遅れになってしまっているのだが、それでもなお政権交代も何もできない。
なぜなら、野党もまた日本を良い意味でぶち壊すような能力はないので、政権交代するだけ無駄だからだ。要するに、日本は行き詰まっている。
この行き詰まった社会の中で政治家がやっているのは、増税して国民を貧困化させたり、政府支出を削減することだけだ。政府支出を削減するというのは、何を意味しているのか。
それは「公務員の人員削減」「給与カット」「社会保障水準の引き下げ」「インフラ投資の削減」「研究・教育の削減」等々である。要するに国民生活を劣化させるものばかりなのだ。
そこにきて「増税」である。多くの人が増税と物価高で経済的困窮に追い込まれているのだが、税金は引き下げられることもない。そして、日本はどこまでも衰退していき、いまや1,200万人もの貧困層が出現している。
高齢者は貧困化し、高齢者を支えるために現役世代から高額の税金を徴収するので現役世代も貧困化し、みんな貧困で疲弊し、社会は停滞していくばかりと化す。
だから、今の日本はGDP成長率は地を這っている。30年近くもGDPが成長しておらず、他国がどんどん成長しているのであれば、日本は「退化している」も同然である。つまり、日本は馬鹿な政治家のために「途上国」になっていく。
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社会的劣化で相当なダメージを受けた
日本には、もう解決不能と化した大きな問題がある。それが少子高齢化である。少子高齢化は日本経済や社会保障制度の持続可能性を脅かしている。社会保障制度への負担を増大させ、それが果てしない増税を生み出している。
政府は何かやっているフリはしているが、じつは何もやっていない。せいぜい、新しい省庁を作って、またそこで予算を食いつぶしているだけなのだ。この少子高齢化も社会的劣化が生み出している。
政治家は「社会保障水準の引き下げ」を目的としているので弱者を助けない。やっているのは「弱者切り捨て」に過ぎない。
日本が少子高齢化で苦しむことになるというのは、1990年代からわかっていた。それなのに政治家の無策が続いた結果、直撃をモロに受けた若者たちが、結婚しても家族を支えられないことによって結婚をあきらめてしまった。
それが少子化につながって、日本の活力も未来もイノベーションもすべて喪失してしまった。イノベーションが重視される超高度情報化社会の現代において、イノベーションを喪失してしまうというのは、まさに先進国から落ちていくということでもある。
馬鹿な政治家による社会的劣化は相当なダメージを日本に与えている。
その結果、日本は成長を失った国と化し、「もはや先進国であること」すらも難しくなっていくのは言うまでもない。日本は先進国ではない、普通の「どうでもいい国」になる。
そのうちに先進国であるとは言えなくなり、中進国になり、それによって社会が荒廃したら、社会の底辺の人々の暮らしは途上国レベルにまで落ちていくこともありえる。すでに、そうなってしまっている人もいる。
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日本は経済レベルで二極分化する
ただし、途上国になると言っても日本人全員が、まとめて明日から途上国レベルの暮らしになってしまうわけではない。
日本という国は富裕層から貧困層を並べるとピラミッド型になっている。そんな中で日本が衰退していくというのは、つまり経済ピラミッドの底辺から途上国レベルに沈んでいくわけである。
ピラミッドの上部に位置する人たちはまだ先進国のレベルにあって、先進国の光景が見えている。ところが、ピラミッドの下部に位置する人たちは違う。社会の最底辺にいる人たちは、先進国の境界線を越えて下に落ちているからだ。
つまり、社会の上と下で違う光景になる。
富裕層は先進国の日本しか見えないが、貧困層は途上国化する。日本は経済レベルで二極分化するのだ。私に言わせると、もう社会の最底辺に転がり落ちてしまった人は途上国並みの生活環境にある。
馬鹿な政治家がこれからも馬鹿な政治を続けていくのであれば、日本という国はひたすら社会的劣化を繰り返しながら貧しくなっていき、どこかで先進国から脱落してしまうはずだ。
政治家は目覚めるだろうか。いや、そんな兆しはまったくない。そもそも、30年も目覚めなかった人間が、今さら目覚めるわけがない。
このままではマズいと気づいている人たちが何かいっても、今の国会議員は国を変えることなんかできそうにない。30年も何もできなかった政治家に、今さら何かを期待するだけ無駄なのだ。
それに気づいたので、私は日本の政治には1ミリも期待しないことに決めた。関心を持つことすらも無駄かもしれない。
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今の日本が向かっている世界とは?
政治家は、もはや国民の痛みを理解できない人種と化している。日本人は耐えて、耐えて、耐え続けてきたが、もはや「耐える意味がわからない」という状態にまで追い込まれている。
政府は役に立たない、支持できる政党もない、社会を変えようとする勢力は無力だ。こうした閉塞感の中では、国民の中に「こんな社会をぶち壊したい」という暗い怨念のような思いが湧きあがっても不思議ではない。
この怨念は日本に大きな地殻変動を引き起こすかもしれない。
国民の怨念が頂点に達したら、日本社会はどうなるのだろう。日本人は暴動を起こすくらいなら自殺する民族なので自殺者は増えていくのは予測できる。だが、死にたいと思っても自分で自分を殺す勇気がない人もいる。
そうした人は、見知らぬ誰かを殺して自分を死刑にしてもらうことで間接的な自殺をしようと考えることもある。だから、衝動的な殺人も増えるだろう。誰かを無意味に殺すことで、国家権力に自分を殺してもらう。
もし、日本人に自暴自棄なエネルギーが生まれたのであれば、政治に対する不信感が爆発して、大規模な抗議デモが全国各地で発生したり、暴徒化していくことも考えられる。テロも発生するだろう。
そこまでいくような情勢なら、もはや日本が経済的に浮上することなどできなくなる。歴史を振り返れば、1950年代に高度成長時代に入るまで、日本人の大半はそれほど豊かではなかったし経済格差の激しい国だった。
それを考えると、1960年代から1990年代までの30年間だけが、日本人が一億総中流を感じられた幸せな時代であったのだといえるのかもしれない。この時代に青春時代を送れた人は幸運だったといえる。
今のままでは、政治、経済、社会秩序、国際的地位、すべてが劣化していくだけだ。残念ながら、今の日本が向かっているのは、そういう世界であることを私たちは理解しておく必要がある。
日本という国が貧困化していくのであれば、私たちは何も期待せず、貧困に慣れておくのが一番の適者生存なのかもしれない。

米は5キロ3800円でした。前まで1600円だった米ですよ?
知り合いが副業をはじめたんですが身体を壊したとかで逆に収入が減ったとぼやいてました。
副業しないと食っていけない物価高。
給料上がったという報道がありますが、上がってないとこのほうが多い感じがします。
給料上がらないのに物価はめっちゃ上がってます。