先日、歌舞伎町の大久保公園を歩いたら、やはり未成年らしき女の子が路上に立って、さりげなく客待ちをしていた。
本人は、携帯を見るために立ちどまっているというような風情だったが、大久保公園で女の子がじっと立ち尽くしていたら、それはもうストリート売春であると思われてもしかたがない。
取材であったとしても、彼女に話しかけるつもりはいっさいなかった。
大久保公園は私服の警官が見守っているうえに、炎上系のYouTuberやら美人局をしかけるワルまで勢揃いしている場所なので、あからさまに未成年とわかる女の子に話しかけるのは馬鹿のやることだ。
彼女はちらりと私を見たが、私は目をそらして彼女から去った。
ところで、大久保公園からしばらく東に100メートルほど歩くと、ホテル『リブマックス』がある。ここでは先日、10代の若者が飛び降り自殺している。
男の子が飛び降りて、そのあとに女の子が飛び降りているのだが、そのふたりは歌舞伎町シネシティのあたりでたむろしているトー横界隈の少年少女だった。『リブマックス』はトー横界隈の子供たちがたむろする場所で、一部屋をみんなで使って、その部屋で睡眠を取ったり、オーバードーズしていたりする。
歌舞伎町のこの狭いエリアで、10代の日本人の女の子がストリート売春したり、オーバードーズしたり、自殺したりしているのだが、もう日本人はみんなそういう状況に慣れてしまってたいして何とも思わなくなったように見受けられる。
このすぐ先にはネットカフェも何軒かあるのだが、そのネットカフェにも家のない10代や20代の女の子が寝泊まりしている。かつては「ネットカフェ難民」と騒がれた彼女たちも、今では当たり前になりすぎて、その存在はニュースにもならない。
日本の底辺がひたすら深刻に、かつ悪化しているのだが、どれも「当たり前の光景」になって定着したのを見て、私は気持ちが沈んでいくばかりだった。