真夜中の街をふらふらと歩いていると、酔って千鳥足になった女性をよく見かける。あるいは、道ばたで座って寝てしまった女性もいる。歓楽街でこうした女性がひとりの場合は、たいていは見知らぬ男が品定めでもするかのように寄って声をかけて、女性をどこかに引きずって連れていく。
真夜中のラブホテル街でも、歩くことさえもおぼつかなくなった意識のない女性を抱えるようにして、男がホテルに連れていく姿もよく見かける。
最近では、歌舞伎町のラブホテル街でホストが死んだように意識不明になっている若い女性をラブホテルに連れていくのを見た。女性は裸足だったのだが、荷物と靴はホストが片方の手で持って、もう片方の手を女性の腰に回して、頭がガクガクしている彼女を運んでいた。
私は見たことがないのだが、それこそ酔った女性をおぶってラブホテルにまで連れていく男もいる。男が親切で女性を運んでいるわけではない。親切なら、ラブホテルではなく交番に運ぶだろう。
中にはラブホテルではなく、タクシーでどこかに連れていく男もいる。目的地は自分の家かもしれないし、女性の部屋かもしれない。どちらにしても、男が女をどこかに連れていくのだから、女性にとっては危険なことになるのは間違いない。
歓楽街はアルコールがつきものだが、アルコールは理性を喪失させるだけでなく、意識も喪失させる局面もある。普段はしっかりしている女性でも、泥酔してしまったら身を守る手段なんかない。
その時点で、悲惨な出来事が待っているといっても過言ではない。中には泥酔して路上で寝て、ホームレスの男にわいせつ行為をされるような女性もいるのだ。そういうのを見ると、女性はアルコールには神経質すぎるくらい神経質であってもよいと思う。
夜の街には男もアルコールで理性を失っているのだから。