ジャラン・ジャクサ 。ジャカルタの街に立つシティハリチャ

ジャラン・ジャクサ 。ジャカルタの街に立つシティハリチャ

シンガポールからガルーダ航空の飛行機に乗ってジャカルタのスカルノ・ハッタ空港に着くと、まずはガンビル駅行きの「ダムリ」のバスに乗って市内に向かう。バスの中は冷房など気休め程度にしか効いていない。

すっかり古くなってしまった座り心地の悪いシートに座って窓際へ寄り、ぼんやりと夜のジャカルタの街を見つめた。

乱暴なバジャイ(三輪タクシー)が国道を縫って走っているのが見える。けたたましい爆音と排気ガスが熱帯の空気を焦がして、ただでさえ暑い空気をさらに熱しているかのようだ。

昔のバンコクのようだと思う。現在、タイはトゥクトゥク(三輪タクシー)の時代はすっかり過ぎ去って、見渡す限りタクシーの洪水になっている。

しかし、昔はバスとトゥクトゥクがバンコクを我が者顔で走り回っていたものだ。ジャカルタは、いまだに三輪タクシーが健在だ。

錆びて今にもドアがちぎれそうなバジャイ。大量の排ガスを煙のように吐き出して、いつエンストするかと見ている方がハラハラするようなバジャイ。幌(ほろ)が破れているバジャイ。いろんなバジャイがジャカルタの夜の街を縦横無尽に走り回っている。

「やっとジャカルタに来たか」と昂揚感に捕らわれる。窓から見える光景が、心をいつしか浮き足立たせてくれる。

ジャカルタに寄るときはいつもシンガポールを経由する。そうすると日本からここまで来るのに飛行機を2回乗り継がないとならない。だから、ジャカルタは非常に遠く感じる。

やっとのことでたどり着いたジャカルタの景色を見ていると、今まで出会った娘たちや、これから出会うであろう娘たちのことを……

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