最近、コロナ禍が再び爆発的に広がっており、2022年7月21日にはとうとう感染者は過去最多の18万人超えと化した。オミクロン亜種である「BA.5」は感染力が強く感染者が増加しやすい傾向にあるので、感染者はもっと増えるだろう。
現在、このオミクロン亜種「BA.5」と同時にサル痘も世界中でじわじわと広がっているところなのだが、世界保健機関(WHO)の報告では致死率最大88%ともなるマールブルグ・ウイルスなるものも西アフリカ・ガーナで広がっているという。
致死率が高いウイルスは感染者が広がる前に宿主を殺してしまうので広がりにくいという話なのだが「亜種」が出たらコロナと同じようになってしまうわけで、何がどのように広がるのか広がらないのか分からないのが現状だ。
マールブルグ・ウイルスはコウモリと接することによって広がる感染病で、最初は発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛なのだが、次第に症状が悪化すると黄疸、全身衰弱、精神錯乱、出血、多臓器不全をきたして苦しみ抜いて死ぬ。治療法はない。
この感染症が広がっているガーナではコウモリ食の習慣があるという。コウモリは人間にとっては、あまり良い生物ではなさそうだ。
そう言えば、マレーシアで発生したニパ・ウイルスもコウモリからだった。エイズを発症させるHIVウイルスはサルが宿主だったとも推測されているのだが、それは「コウモリと接触したサル」ではなかったかと言われたことがあった。
ナイジェリアとその周辺国ではエボラウイルスが猛威を振るった。これは今も宿主は不明なのだが、やはり「コウモリではないか」という研究結果もある。
コウモリを食べたか、コウモリに噛まれたかしたか、あるいはコウモリからエボラウイルスをうつされたブタやサルを介して人間がエボラウイルスに感染したのではないかというのが定説だ。
コウモリは多くのウイルスの自然宿主である。狂犬病、リッサウイルス、ハンタウイルス、フォロウイルス……と危険なウイルスがコウモリの唾液や糞や尿に混じっているのである。