今、「ルッキズム」という言葉が広がっている。ルッキズムというのは「外見至上主義」を指すのだが、もっと分かりやすい表現をすると「外見が良い人をチヤホヤして、外見が悪い人は見くだす」という考え方・行動様式を指す。
世の中は昔から「美男美女」が得するようにできていて、SNS全盛期の今はますます美男美女の社会的優位性が高まっていると言える。逆に言うと、容姿がそれほどでもない人は男でも女でも見下されたり、雑に扱われたりするということでもある。
「外見で人を判断するのは差別ではないのか?」
「外見至上主義が人を不幸に追いやっているのではないか?」
そういうルッキズム(外見至上主義)という価値観の疑問や批判が今、広がりを見せるようになってきて、ルッキズムという言葉の定着が生まれてきているのである。
あなたは、このルッキズムをどう思うのだろうか。
言うまでもないが、ルッキズムの問題は男性であっても女性であっても発生する。美男・ハンサム・イケメンと言われる男性はそうでない男性よりもモテるし、美人・かわいい・きれいと言われる女性はそうでない女性よりもモテる。
外見は努力で何とかなる部分もあったりするのだが、生まれ持った端正な顔付きというのはやはり存在するわけで、努力では超えられない「外見の良さ」を生まれつき持っている人の有利さは変わらない。
問題は社会全体がルッキズムに傾くと、外見の良い人が有利になると同時に、「そうでない人が差別される社会」が生まれて来ることである。他にどんな利点があっても外見が優れていないというだけで見下されてる……。
それがルッキズム社会の恐ろしいところである。
現代は、SNS全盛期で「美男美女」というだけで社会的優位性を享受できて、そうでない人は差別されるのが数値(フォロワー数)で露骨に可視化される。その結果、何が生まれてきているのか……。