◆ジョーカー。這い上がれない人間が最後に辿り着くのは善悪を超越した暴力世界

◆ジョーカー。這い上がれない人間が最後に辿り着くのは善悪を超越した暴力世界

2021年8月6日、小田急線で無差別切りつけ事件が発生している。この事件は社会でうまく生きていくことができない36歳の男が自暴自棄になって小田急線内で他人を切りつけ回って電車に火を付けようとした事件だった。

「幸せそうな女性を見ると殺してやりたい」と男は述べた。

そして11月22日、今度はこの事件に触発されて25歳の男が京王線で同じような事件を起こして逮捕された。仕事では失敗し、友人関係もうまくいかず、「自分では死ねないので大量殺人して死刑になろうと思った」と犯人は供述した。

折しも巷《ちまた》では映画『JOKER(ジョーカー)』が話題をさらっていた。この男はジョーカーの恰好をして犯行に及んでいたので、この事件は「ジョーカー事件」と言われるようになった。

私はここしばらくまったく映画を見ていなかったが、この事件のあとにこの映画だけは観ておくべきだと考えて久しぶりに映画を観た。

世間ではこの映画を「傑作」だと評価しているが、私も異論はない。久しぶりに見たこの映画は、私にとって愛すべき映画となった。

この映画は、社会でうまく生きていくことができず、貧困から這い上がることができない人間の「社会に対する復讐」の映画である。

社会に無視され、誰からも評価されず、真面目に生きても叩きのめされるだけのハンディを負った人間が、自らを嘲笑して暴力を振るう相手を撃ち殺してから世界観が変わっていく。

這い上がれなかった人間が、荒廃した社会の象徴となっていく……。

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