8月6日20時頃、小田急小田原線の電車内で対馬悠介という36歳の男が突如として刃物を取り出して、女性を切りつけ始めた。先頭車両からどんどん車両を移動して、若い女性を見つけてターゲットにすることに決めた。
狭い電車内で人々が逃げることができないのを見計らって対馬悠介は犯行を行っていた。複数の乗客が刺されて、電車内はパニック状態に陥って逃げ惑う。途中で刃物の柄の部分が折れたので、対馬悠介は今度はサラダ油を取り出して周囲にまいて、火をつけようとした。
しかし、うまくいかなかったので、対馬悠介は電車から脱出して外に逃走、祖師ヶ谷大蔵から4キロ先の北沢まで北上して、近くのファミリーマートに入って「逃げるのに疲れた」と言って警察を呼んでもらい、現場で逮捕されている。
この日の昼、対馬悠介は新宿にいたのだが、そこで万引きして女性店員に110番通報されている。結局、対馬悠介は万引きした商品を買い取ることでこの日は解放された。警察に自宅である神奈川県川崎市多摩区西生田のアパートに送られている。
しかし、対馬悠介はアパートでじっとしていなかった。自分を通報した女性店員に恨みを抱き、「殺してやる」と考えて刃物(牛刀)を持って再び新宿に向かって店に舞い戻ったのである。
ところが、店は閉まっていた。そこで対馬悠介は計画変更し、小田急線で無差別殺人を行う決意をして電車に乗り込んだ。
人々が逃げられないように、快速急行を狙って犯罪を行っていた。
無差別殺人ではあったが、対馬悠介には明確なターゲットがあった。それは「勝ち組に見える女性」だ。警察の取り調べに対して対馬悠介は「6年ほど前から幸せそうな女性を見ると殺してやりたいと思うようになった」と供述している。「殺せなくて悔しかった」とも言っている。