新型肺炎だけではない。未知のウイルスが人類に襲いかかる日は必ずやって来る

新型肺炎だけではない。未知のウイルスが人類に襲いかかる日は必ずやって来る

今、私たちは中国発のコロナウイルスで大騒ぎしているのだが、今後はコロナウイルスではない別の「新種ウイルス」や「未知のウイルス」が必ず発生して人類をパニックに陥らせることになる。謎のウイルスが、謎の侵入経路で、突如として発生するのである。いつどこで、どんな伝染病が流行するのかは何とも言えないが、信じがたい「恐怖のウイルス」が伝播していくことになるのは約束されている。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019メディア『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

新型肺炎はコウモリに接触したヘビが原因か?

中国で大流行している新型肺炎は、コロナウイルスの突然変異版である。

華南海鮮卸売市場で食用として売られていた何らかの生物から人間にウイルスがうつったというのは確かなのだが、このウイルスを保持していた最初の宿主はヘビだったかもしれないと中国の研究チームが遺伝子解析を行った結果を報告している。

ヘビがコウモリを捕食し、コウモリのコロナウイルスがヘビにうつり、それが華南海鮮卸売市場で売られて人間に感染したというのだ。まだ決定的なものではないのだが、この説が今のところ有力視されている。

2003年に世界を震撼させたSARSウイルスも、最初は宿主が分からなかった。当初は「ハクビシンではないのか」と推測されていたのだが、やがてこの説は覆されてコウモリであることが決定的になった。

マレーシアで発生したニパ・ウイルスもコウモリからだった。エイズを発症させるHIVウイルスはサルが宿主だったとも推測されているのだが、それは「コウモリと接触したサル」ではなかったかと言われたことがあった。

ナイジェリアとその周辺国ではエボラウイルスが猛威を振るった。これは今も宿主は不明なのだが、やはり「コウモリではないか」という研究結果もある。

コウモリを食べたか、コウモリに噛まれたかしたか、あるいはコウモリからエボラウイルスをうつされたブタやサルを介して人間がエボラウイルスに感染したのではないかというのが定説だ。

コウモリは多くのウイルスの自然宿主である。

コロナウイルス、狂犬病、リッサウイルス、ハンタウイルス、フォロウイルス……と危険なウイルスが唾液や糞や尿に混じっている。

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この数十年だけで、全世界の自然の60%が消失した

実はコロナウイルスの宿主はコウモリだけではない。ネズミもマーモットも野生の鳥もセンザンコウもコロナウイルスの自然宿主である。

当然だが、野生動物は予防接種など受けていない。そのため、多くの野生動物が多くのウイルスを保持している。

アメリカで西ナイル熱(ウエストナイル熱)が大流行したことがあった。これは、ウガンダの風土病がアメリカに転移したものだ。アメリカには、ペットで飼われた「熱帯の鳥」からイエ蚊を通して拡散した。

今、私たちは中国発のコロナウイルスで大騒ぎしているのだが、今後はコロナウイルスではない別の「新種ウイルス」や「未知のウイルス」が必ず発生して人類をパニックに陥らせることになるだろう。

謎のウイルスが、謎の侵入経路で、突如として発生するのである。いつどこで、どんな伝染病が流行するのかは何とも言えないが、信じがたい「恐怖のウイルス」が伝播していくことになるのは約束されている。

なぜなら、自然破壊が大々的に起きて止まらないからだ。

さらに、未知のウイルスは過去最速で世界に広がっていく。その理由は、多くの国の交通網が整備されたことと、世界がすでにグローバル化しているからである。自然破壊とグローバル化。この2つが全世界に「恐怖のウイルス」をばらまくことになる。

現在、すべての国で広大なジャングルが、尋常ではないスピードで伐採されている。

世界最大のアマゾンのジャングル。
東南アジア最大のボルネオのジャングル。
コンゴ含むアフリカのジャングル。

すべてが同時並行で破壊されている。伐採に次ぐ伐採である。それも、普通の伐採ではない。再生不可能な、完全破壊につながる伐採である。この数十年だけで、全世界の自然の60%が消失してしまったのだ。

1999年のカンボジアの売春地帯では何があったのか。実話を元に組み立てた小説、電子書籍『スワイパー1999』はこちらから

ジャングルには「未知の病原体」が間違いなくいる

ジャングルが、未知の生物の宝庫なのは誰でも知っている。未知の生物と言えば、何かわくわくするような感じがあるが、そんな見つけて嬉しいものばかりではない。未知の「病原菌」や「ウイルス」も見つかる。

これらの病原菌やウイルスは、宿主が知られていない何らかの動物に寄生して、完全な形の遺伝子を何十年も継承してジャングルに潜んでいる。ジャングルを開拓したとき、その病原菌が人間に感染する。

その確率は、ジャングルが切り開かれば開くほど高まっていく。

マレーシアのニパ・ウイルスは、ジャングルを切り開いた大地に作られた養豚場の豚が、コウモリと接触して感染したというのが判明した。ジャングルを切り開かなければ接触しないウイルスが、豚に感染して人間にも拡散していった。

これは1999年の話だが、それまでニパ・ウイルスは知られていなかった。このように、まだ知られていないウイルスは夥しくある。

ジャングルを切り開いたとき、人間は致命的なウイルスと接触する。それは、まだ誰も知らない危険なウイルスであり、人類の呪いとなるウイルスでもある。

ジャングルの奥の奥に入って、そのウイルスと接触した瞬間、それは人間に寄生していく。見たことも聞いたこともない新種のウイルスが人間に乗りうつり、次々と人間に襲いかかっていく。

「森には神がいる」と先住民はよく言うが、それが本当かどうかは別にして、「未知の病原体」なら間違いなくいる。

それは何かの動物や植物の中に潜んでいる。まず、ジャングルを切り開いた人間やそこにいた家畜に伝播し、近隣の村や街に伝播し、そこにいた外国人に移り、彼が飛行機に乗って世界中に拡散させる。

アフリカ、ネパール、インド、ブラジル、バングラデシュ、インドネシア、マレーシア……。ジャングルを抱えていて、工業化のためにそれを切り開きながら発達している国から地獄の扉が開くかもしれない。

ジャングルを切り開いて入り込むだけで、感染や伝染の原因になり得るのだ。

地獄のようなインド売春地帯を描写した小説『コルカタ売春地帯』はこちらから

未知のウイルスが人類に襲いかかる日がやって来る

人はかつて森に畏敬を持ち、崇拝し、そして「自然の恵みを分けてもらう」という態度で森と接触していた。大自然が人間を育んでくれているということを知り、自然を大切にしていた。

しかし、今はもうそうではない。自然を略奪し、伐採し、「奪い取るもの」という態度で接触している。

何かの資源を取るため、あるいはプランテーションを作るために、邪魔な森林を切り倒して、再生しないようにしている。もはやそこには自然に対する敬意もなければ、畏れもない。

金のための「資源」か、金にならない邪魔な物体としか思っていない。だから、自然は破壊されているのだ。

これを逆に言えば、自然にとって人間はとても邪悪な生物であるとも言える。それならば、自然が人間に復讐する日が来ると考えても何ら不思議ではない。

為す術のない謎の疫病が流行すると、昔の人はそれを「神の怒り」だとか「呪い」と言った。

突如として人間がバタバタと死んでいく事態になったら、ウイルスの存在を知らなかった昔の人は、それを「神の怒り」や「呪い」と認識したのだ。(ブラックアジア:ポックス。乱交と不道徳の結果、人間を生きたまま腐らせた中世の「不治の病」

現代人は、それが病原菌やウイルスの存在であることを知っているかもしれないが、知っていれば防止できるというわけではない。ワクチンが効かない恐ろしいウイルスも突然変異で生まれる可能性はある。

大自然を破壊しながら生きている私たちは、もうこの「呪い」から逃れることはできないのだ。未知のウイルスが人類に襲いかかる日は、いずれやって来る。

『インフルエンザ パンデミック 新型ウイルスの謎に迫る(河岡義裕、堀本研子) 』

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