オーストラリアのゴールドコーストで働いていたエブリン・ミラーは、最強のコールガールだった。整形で手に入れた整った顔立ちに迫力あるボディ、そして彼女の趣味である全身タトゥーは多くの顧客をノックアウトさせるに十分だった。
彼女の存在はアンダーグラウンドでは芸能人並みの熱狂で受け入れられ、彼女はハイクラスの存在として君臨した。しかし、彼女の肉体的特徴は別のところにあった。
彼女は生まれながらにして、2つの膣と2つの子宮を持っていたのである。
これは「重複子宮」と呼ばれるものだが、以前にもブラックアジアでヘイゼル・ジョーンズというイギリスの女性を取り上げたことがある。(ブラックアジア:2つの膣、2つの子宮を持つ女性、ヘイゼル・ジョーンズ)
エブリン・ミラーが自分の身体の特異性に気付いたのは20歳の頃だったという。2つの子宮は独自に機能しているので、彼女は2つのタンポンを使用しなければならず、さらに子宮癌の検診も2つの子宮で行わなければならないと告げられていた。
彼女が真っ先に聞いたのは「妊娠できるのか?」というものだった。医師の言葉は「難しいかもしれない」というものだった。
その後、彼女はコールガールとなった。
コールガールというのは、日本で言うところのデリヘルに近い。欧米ではインドアの売春宿《ブラゼル》以外にも、コールガール業が古くから発展していて、ストリート売春と並んでセックス産業の主流になっている。
彼女は8年間コールガール業を続けた。その時、彼女は彼女特有のルールを作っていたという。そのルールとは……。