中国ではドラッグのことを単に「毒」もしくは「毒品」と表現する。飲めば身体の「毒」になるのだから、「薬品」の逆として「毒品」という言い方は納得できる。
そこで、改めて日本のほうを見て、何と表現されているか、よくよく見て欲しい。
「麻薬」と、それは書かれる。麻(あさ)の薬、である。覚醒剤もLSDもヘロインもコカインもすべて「麻薬=麻の薬」だと称されている。これは間違っているし、とても恣意的だ。
麻はそこらに生えている雑草だし、別に食べて死ぬ毒草でもない。縄の材料になったり、糸の材料になったり、布の材料になったり、鳥の餌になったりする。
それなのに、覚醒剤やアヘンやヘロインやコカインやその他の精神を変容させる物質はすべて「麻薬=麻の薬」にされてしまっていることに気がつかなければならない。