「プーチン大統領はクリーンな政治家」という幻想はロシアで粉々に破壊された

「プーチン大統領はクリーンな政治家」という幻想はロシアで粉々に破壊された

プーチン大統領も神格化されるほどクリーンなわけでもない。自分の地位を脅かす人間は片っ端から暗殺し、真実を暴くジャーナリストも撃ち殺したり毒殺したり脅したりして抹殺し、新興財閥と結託して賄賂を受け取り、欲しい女を手に入れる。それがプーチンの本当の姿だ。(鈴木傾城)

策略と暗殺を多用する危険な独裁者ウラジーミル・プーチン

日本の保守層はなぜかロシアのウラジーミル・プーチンを評価するのだが、プーチン大統領はKGB上がりの策略と暗殺を多用する危険な独裁者であり、プーチン大統領の強権は日本にとっても利するものは何もない。

このプーチン大統領の独裁に挑戦しているのが、毒殺されかかった弁護士のアレクセイ・ナワリヌイである。ナワリヌイは何とか生き延びたが、今まで反プーチン派だった人々が次々と死んでいった事実から見ても、死んでいてもおかしくなかった。

日本は好き放題に首相批判・首相攻撃をマスコミも野党も行っているのだが、中国でも北朝鮮でもサウジアラビアでもロシアでも、独裁者に対抗するというのは死に直結する。(ブラックアジア:日本人は幸せだ。多くの国では政権を批判するというのは死に直結する行為だ

しかし、私利私欲で国家運営をする独裁者の存在は正しいものではない。どこの国の人々であっても、国のトップが間違った政治をしていれば「間違っている」と声を上げる権利がある。

声を上げたら暗殺されたり、弾圧されたり、社会的に抹殺されるというのであれば、それは正しい国のあり方ではないわけで、もし独裁者がそのような国家運営をしているのであれば、それに対する抵抗はあって然るべきである。

アレクセイ・ナワリヌイは独裁者であるウラジーミル・プーチンに「NO」を突きつけた。そして、毒殺されかけた。

これに対して、反プーチン派は「プーチン大統領が非人道的なことをやっている」として声を上げているのだが、プーチン大統領はこのデモをことごとく強権で封じ込めている。

結局、独裁者プーチンは今までのように、何事もなかったかのようにナワリヌイ氏を叩きつぶして何食わぬ顔で独裁を続けるのだろうか?

Black Sea Palace = Putin Palace

(恐らくすぐに消えます。今のうちに視聴を)

クリーンどころかロシア最悪の汚職政治家である可能性

面白いことがある。今までウラジーミル・プーチン大統領は「私利私欲で政治することはなく、清廉潔癖で、ロシアの国益のみを考える大統領である」という評価が為されていた。国民はそれを信じていた。

しかし、虚飾が剥がれる出来事が起きていた。

アレクセイ・ナワリヌイを支持するグループがロシア南部の美しい黒海が見える風光明媚な地に、巨大な「宮殿」が建てられていることをドローンを飛ばして暴露した。

山手線の内側よりも広い敷地に、11のベッドルーム、劇場や映画館やカジノやスパもアイスホッケー場も備えた超豪華宮殿で、内装も家具も贅を尽くした高級品が使われた資産価値1400億円にもなる超豪華宮殿だった。

ナワリヌイ陣営はこれが「プーチン大統領の所有物である」と暴露して、いかにプーチン大統領が汚職と蓄財に邁進していたのかを世に知らしめたのだった。

ロシア人はこれを「プーチン宮殿」と呼んだ。

「プーチン宮殿」がロシア人にもたらした衝撃は日本人が考えている以上のものがある。今まで「プーチン大統領だけは私利私欲に走らないクリーンな政治家」だと信じ込んでいたのに、そうではなかったことが発覚したからだ。

クリーンどころか、ロシア最悪の汚職政治家である可能性もある。

日本では、「みんな平等に貧困になろう」と上野千鶴子というフェミニストが提唱していたのに、蓋を開けてみればこの上野千鶴子が超高級タワーマンションに住んで、別荘を持って、外車を乗り回していたので、「この女はいったい何なのだ?」と激しい批判が湧き上がった。

上野千鶴子はもともと胡散臭い恫喝フェミニストなので、日本社会にもたらす影響力など皆無に等しいのだが、ロシアのプーチン大統領は国際社会にも強い影響力を持った「巨人」である。ロシア人の衝撃は凄まじいものがあった。

低所得層もプーチン大統領に対するクリーン幻想を捨てた

もしかしたらプーチン大統領は、最初の頃は本当にクリーンな政治家だったのかもしれない。しかし、長らく権力の座に就いていると、やがて権力によって得られる多くの特権によって感覚が変質していった可能性もある。

女に関してはどうなのか?

プーチン大統領が手に入れたのはアリーナ・カバエワだった。この女性は新体操の金メダリストで、美しいロシア美人である。プーチンは彼女にぞっこんだった。そして、彼女を自分のものにした。(ブラックアジア:アリーナ・カバエワ。独裁者プーチンを虜にした新体操の女王

結局、プーチン大統領も「金」と「女」に転がる普通の人間であり、神格化されるほどクリーンなわけでも何でもない。

自分の地位を脅かす人間は片っ端から暗殺し、政敵を弾圧し、真実を暴くジャーナリストも撃ち殺したり毒殺したり脅したりして肉体的にも社会的にも抹殺し、新興財閥と結託して賄賂を受け取り、欲しい女を手に入れる。それがプーチン大統領の本当の姿だったということだ。

それを暴露したのがアレクセイ・ナワリヌイだった。2021年1月。ナワリヌイはロシアに帰国したが空港に着いた瞬間に拘束され、2月2日、2年8ヶ月の実刑判決を受けて刑務所にぶち込まれた。

2021年2月8日、ナワリヌイが毒殺されかけたのを必死の治療で命をつないだ医師セルゲイ・マクシミシン副医長が心臓発作で死亡した。ナワリヌイに何が起きたのかを知っている医師がこのタイミングで「心臓発作」で死ぬのだから、まさに不審死である。

2月10日、ナワリヌイの妻は身の危険を感じてロシアからドイツに出国した。

ロシア国内では「クリーンな政治家」という虚飾を剥ぎ取られたプーチンに対して、多くの国民、特に若者たちが「プーチンは泥棒だ」と叫び、ロシア100都市で反プーチンの抗議デモが起きている。

低所得層もプーチン大統領に対するクリーン幻想を捨てた。ロシア人は「騙されていた」という怒りを燃え上がらせている。

これはプーチン大統領の独裁の終わりになるのか、それともプーチン大統領は何事もなくこの危機を乗り切って「何もなかったこと」にするのか、まだどちらに転ぶのかは分からない。

日本人もプーチン大統領に好意を持っている人が多い。しかし、ロシアは元々日本にとっては危険な国でもあるし、プーチン大統領もまた危険な男でもある。(ダークネス:ロシア(旧ソ連)は日本に対して4つの大罪を犯し、何の反省もない無法国家である

ロシアを無防備に信じるのは間違っている。

『プーチンの世界「皇帝」になった工作員(フィオナ ヒル)』

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