◆「いたぶられるのが嬉しい」という女性を意識的に理解しようとしなかった

◆「いたぶられるのが嬉しい」という女性を意識的に理解しようとしなかった

今までブラックアジアでまったく取り上げてこなかったアンダーグラウンドに「SM(サド・マゾ)」の世界がある。海外では「ボンデージ」とも呼ばれる世界で、ひとつの性のスタイルとしてよく知られている。

サドの方は「加虐性愛」と呼び、マゾの方は「被虐性愛」という。

私がまったくこのSM(サド・マゾ)の世界を取り上げて来なかったのは、加虐性愛の方も被虐性愛の方も「まったく理解できない」からである。

いや、理解できない世界でも私は好奇心が強いので何でも知りたがるのだが、「SM」に関してはどうしても近寄りたくないという気持ちが強くあって避け続けてきた。今も、何となく近寄りがたい気持ちが継続している。

私自身は「愛する」のは好きなのだが「加虐して愛する」という点がどうしても理解できなかった。たとえば、SMの定番として「相手を縛る」「ムチで叩く」というものがある。日本独自の加虐の手法として「ロウソクを垂らす」というのもある。

女性を加虐するというのは、実は何となく理解はできる。テストステロンに満ち溢れたマッチョ(男権主義)志向の男性が、自分の支配力や征服力をそうした「儀式」のような形で実現したいのかもしれないと思うからだ。

私が分からなかったのは、それを受け入れる女性がいることだった。男性がそういう志向があるとしても、なぜ女性が「それを受け入れないといけないのか」という部分が私には理解できなかった。

女性にもいろんな考え方や性的志向を持っているというのは頭では理解できるのだが、それにしても痛みや屈辱を伴う行為を受け入れることができる女性がいるということに感覚がついていけなかった。

つまり、私はマゾ(被虐性愛)の女性の理解が足りないまま、今に至っているということが言える。そんな中で、私はなぜ自分がこの世界に近寄りたくないと思っているのかを考えたことがあったのだが、最近になってそれが何となく分かってきた。

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