閲覧注意
メキシコでも中国発コロナウイルスの感染者は広がっているのだが、2020年11月の段階でメキシコは感染者が100万人を超えている。一日の感染者も12月に入ってから1万人レベルで増えている。
夜になって酒を飲んで歌って踊ってのパーティー文化がコロナを拡散しているとして、メキシコ政府は週末のアルコール販売を禁止したり、歓楽街を時短させたりもしているのだが、冬に入ってから感染者は増える一方となっている。
ステイホームが勧告されて、人々は大人しく家にいるように厳命されている。
そして、どうなったのか。ステイホームでDV(家庭内暴力)が激増するという別の問題が出てくるようになったのだ。家庭内暴力による被害届が昨年比で見ても50%も激増しているのだから尋常ではない。
自粛によって経済苦や困窮が広がっているのだが、その中で自宅に閉じ込められているのでストレスが激増しているという分析である。WHOの事務局長は「家庭はもはや多くの人々にとって安全な空間ではない」と述べるほど事態は悪化した。
メキシコはコロナ以前からDVが多い国として知られている。それは、ラテン・アメリカの男たちは外観も行動も「マッチョ」であることが求められており、多くの男がその伝統に従って、マッチョに行動するからでもある。
マッチョというのは、筋肉がボディービルダーのようになるという意味ではなく、「男っぽくなる」という意味である。
先進国の多くは、すでに性別が男であっても、必ずしも男らしくなろうとは思っていない。だから、男らしく振る舞うことに大した意味は持っていない。
ボディービルダーのようになりたい人はなればいいし、興味がない人は他のことを追及すればいいというような多様性が生まれている。しかし、ラテン・アメリカは男の多くが「マッチョ志向」であり、そういった文化が根強く息づいている。
それはそれでいいのだが、問題は「女を暴力で叩きのめす」こともマッチョな文化として肯定されており、「女は飼い慣らすものだ」という無意識が存在する。この2つ合わせると「女は暴力で飼い慣らす」という世界が誕生する。