バイデン政権のスタート。果たして新大統領はアメリカをどこに導くのか?

バイデン政権のスタート。果たして新大統領はアメリカをどこに導くのか?

今後は曲がりなりにもジョー・バイデンが世界のリーダーであり、ジョー・バイデンの意向はアメリカの政治を変え、国際情勢も変えていくことになる。ジョー・バイデン政権は、基本的に「第三次オバマ政権」でもある。オバマ政権と言えば2009年から2015年まで延々と媚中政策を繰り広げてきた政権だ。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。まぐまぐ大賞2019、2020年2連覇で『マネーボイス賞』1位。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。(連絡先:bllackz@gmail.com)

バイデン政権は、基本的に「第三次オバマ政権」でもある

2021年1月20日。ジョー・バイデン氏が第46代米大統領に就任した。

ジョー・バイデンは、高齢で、ロリコンで、認知症の疑いがあって、息子はセックス狂のドラッグ依存者で、父子共に世界各国から賄賂をもらって懐柔されてしまっている大統領である。

国民の半分はジョー・バイデン新大統領を評価していないし、かなりの分断があった。今後、大したことができるとは思えないし、年齢的なこともあって8年も持つ大統領ではない。

場合によっては4年も持たずに副大統領が主役になってしまう可能性もある。

それでも、今後は曲がりなりにもジョー・バイデンが世界のリーダーであり、ジョー・バイデンの意向はアメリカの政治を変え、国際情勢も変えていくことになる。

ジョー・バイデン政権は、基本的に「第三次オバマ政権」でもある。オバマ政権と言えば2009年から2015年まで延々と媚中政策を繰り広げてきた政権だ。

中国の知的財産の侵害を無視し、軍事的脅威も無視し、チベットやウイグルでの人権侵害も見て見ぬフリをし、南シナ海や尖閣諸島の侵害も放置し、台湾やベトナムの苦境にも何もしなかった。

また、日本に対してもあからさまに冷徹な態度を示して、やたら韓国を持ち上げて日本に韓国の面倒を押しつけようとした。オバマ政権はそのような政権だったのだ。

さすがに、オバマ大統領も2015年当たりから「このままでは中国に飲まれる」と危機感を持つようになって、2016年から中国から一歩引くようになっていた。しかし、その頃になると、もはや中国はアメリカを見下して膨張主義にひた走っていた。

それが、オバマ政権時代の政治であり、この政権の副大統領だったのがジョー・バイデンだった。

ジョー・バイデンの息子はすでに中国からたっぷりと金をもらっているわけで、対中政策はトランプ大統領時代よりも格段に甘くなるのは間違いない。トランプ大統領が仕掛けた報復関税も、バイデン大統領はどんどん解いていくだろう。

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ジョー・バイデン大統領就任式

協調すべきところは協調するという従来型の政治姿勢

ただ、アメリカはすでに超党派で「中国が脅威になった」という点でコンセンサスが形成されている。そのため、オバマ時代のような「あからさまな媚中政策」はもう取れない。民主党にも「中国は脅威だ」という意見を持つ議員も多い。

バイデン政権は、トランプ前政権のように「中国はすべて拒絶する」という強硬姿勢ではなく、中国に警戒心を持って一定の距離を保ちながら、協調すべきところは協調するという従来型の政治姿勢になる可能性が高い。

実は、そういう「従来型の政治」を攻略するのは中国共産党政権の大の得意分野でもある。

協調の部分で折衝する人間たちを賄賂とハニートラップ等で攻略して、じわじわと親中派を広げていく。人は誰でも大金を積まれたら弱い。美女にも弱い。中国共産党政権はそのあたりの機敏をよく知っている。

だから、中国はそこから搦め手で攻めてくる。それが中国のやり方だ。これまで中国は政治の裏側でずっとそのような攻略をやってきた。だから、アメリカは政治から文化(ハリウッド)まで、中国色に染まっていったのだ。

しかし、トランプ大統領は「従来型の政治家」ではない。もともと金持ちだったので賄賂も利かない。困ったことに、美女にも困っていなかった。酒も飲まない。しかも、思いついたら一途の「根っからのアメリカ第一主義者」だった。

中国共産党政権が付け入る隙《すき》がなかった。だから、中国共産党政権は為す術《すべ》もなくトランプ大統領の強圧にさらされていたのだ。

トランプ大統領の強圧的な中国キャンセル(排除)は、広範囲に及んでいた。

ファーウェイやZTEを締め出し、半導体に禁輸制裁を発動し、孔子学園を閉鎖させ、ヒューストンの中国総領事館の閉鎖を命じ、アメリカに上場していた中国企業を撤退させ、その他にも数え切れないほどのキャンセルを行ってきた。

トランプ大統領は、まさに「剛腕」で次々と施策を打ち出してきた。

大統領になる前から中国に買収されてしまっているバイデン大統領が、果たして同じことができるのかどうか。「協調すべきところは協調する」と言って、そのまま中国に飲み込まれてしまうのではないか。

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最初から険しい政治状況の中でスタートするバイデン大統領

ただ、バイデン政権はまだ始まってもいないので、すべては未知数だ。

世界中がそうなのだが、アメリカもまたコロナ禍によって経済も大きく傷ついているので、バイデン大統領の仕事は一にも二にも「コロナ禍をどれだけ迅速に収束させることができるか」である。

当面は、中国対策というよりも、コロナ対策でバイデン大統領の手腕が問われることになる。

日本の菅首相はコロナ対策に後手後手になったせいで求心力が急激に低下して支持率もごっそりと失われ、早くも危機的な状況になってしまった。一刻も早くワクチン接種を急がなければならないのだが、まだ何も始まっていない。

バイデン大統領も同じように、コロナ対策で失敗するようなことがあると、3ヶ月もしないうちに支持率は急低下して見捨てられる大統領になってしまう。その可能性もゼロではない。

しかし、バイデン大統領も政治経験が長いので、このあたりは抜かりなく全力で取り組むことになるはずだ。しかし万一、国民が待望している追加景気刺激策が通らずにコケるようなことがあったら、一気に国民がからそっぽを向かれる。

さらにバイデン大統領は株価対策にどこまでトランプ大統領のように真剣に取り組むのかも未知なので、株式市場も動揺をきたしてもおかしくない。そういうことも十分にあり得る。

バイデン大統領は最初から険しい政治状況の中でスタートする。

国民が分断している最中にコロナ対策で失敗すると、バイデン政権は目も当てられないようなスタートになる。逆にこのあたりを無難にこなしたら、当初はバイデン大統領を拒絶していた国民も徐々に受け入れる可能性も出てくる。

果たして、バイデン大統領はアメリカをどこに導くことになるのか。私たちは、超大国アメリカの行方を固唾を飲んで見守るしかない。

『トランプ 最強の人生戦略(ドナルド・トランプ)』

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