私は美しい女性よりも変わった女性の方に惹かれるタイプで、普通の美人よりも『ドラゴン・タトゥーの女』のリスベットみたいな超個性的な女性の方が好きだ。パンクが好きだという意味ではなく、何かしら個性がある女性が好きなのである。
それを踏まえて言うと、インド圏は個性ある顔の宝庫だった。だから私は猛烈にインド女性が好きで、今も彼女たちに憧憬があるのは「普通と違う」からであると理解している。
私が好きになったインド女性も美人タイプではない。一番好きだったリーパという女性は、インド人ではないけれどもシンハラ人(スリランカ人)も一応はインド「系」だ。
リーパは整った顔立ちをしていた。しかし、リーパはお世辞にも人相が良いとは言えなかった。非常に目つきが厳しく、日本人から見ると凶悪とも言えるほどだったのだ。
しかし、私はその凶悪な顔がとても好きで惹かれて惹かれて忘れられなかった。彼女の写真は一枚もない。痛恨の極みだ。
人相というのは顔の良し悪しや、表情のことを言うのではなく、顔全体から受ける「印象」を指す。その人の顔を見た瞬間に感じる「生き様」とでも言おうか……。
顔の造作は年と共に変わっていく。幸せな生活を続け、人々の間に愛があり、日々が充実している人の人相は、そういった生活が続いていくと、それが顔の造作に微妙な影響を与えて、明るい穏やかな顔かたちになっていく。つまり、人相が良くなっていく。
しかし、人生に苦闘し、不幸や挫折や絶望の中で生活し、愛も失い、絶望の中で暮らしている人の人相は、それが顔に刻まれていき、厳しく、きついものになっていく。つまり、人相が悪くなっていく。
人間は、たった0.5秒で他人の表情を読み取れるという。つまり、誰でも他人を見たとき、人相によって、その人の印象や生き様を読み取ることができる。