◆自殺するハイエナ。私も「金がなくなったらおしまいだ」と常に思っていた

◆自殺するハイエナ。私も「金がなくなったらおしまいだ」と常に思っていた

ちょうど一週間ほど前、タイのローカル紙『パタヤ・ニュース』に、白人(ファラン)が自殺していたという記事を載せていた。3日間で2人の白人(ファラン)が自殺に追い込まれていた。

ひとりはイギリス人だった。部屋の中で首を吊って死んでいた。金がなくなってどうしようもなかったのだと思われるが、詳細は書かれていない。もうひとりはスウェーデン人だったが、こちらはバルコニーで首を吊っていた。

別に珍しい事件ではない。コロナでハイエナは減ったかもしれないが、売春地帯として機能しているパタヤは、白人(ファラン)が次々と死んでいく場所だ。売春地帯で金を使い果たしてどうにもならなくなって死ぬ。

二年ほど前は、ノルウェー人がコンドミニアムの屋上で首を吊って、街の全員が遺体を観察できる状態になっていて大騒ぎとなったこともある。

相変わらずだな、と私は思いつつ溜息をつく。「ノーマネー、ノーハネー」を忘れたハイエナには破滅か死しか残されていない。私もまだそういう世界に片足を突っ込んでいるので、とても切実に感じる事件でもある。

いつだったか、ブラックアジアの何冊目かを出版する際に、題名を『ノーマネー、ノーハネー』にしたいと私は思ったことがあった。

言うまでもなく、タイの売春地帯をうろついている男はみんな “No Money, No Honey(金の切れ目が縁の切れ目)”という言葉を合言葉にそこに沈没している。「金がなくなったらおしまいだ」と常に心の片隅に置いている。

東南アジアの裏世界の本を出すのに、『ノーマネー、ノーハネー』は最高の題名だと思った。ところが、何気なくアマゾンで同名の本がないかどうか確認してみたら、何と私よりも早く『ノーマネー、ノーハネー』を題名に使っていた書籍があった。

アリソン・マレーという著者が書いた本で、正式名称は『ノーマネー、ノーハネー ジャカルタの女露天商と売春婦たち』となっていた。この題名は先を越されていた。(アマゾン:ノーマネー、ノーハネー ジャカルタの女露天商と売春婦たち

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