映画やドラマで描かれる離婚は、「浮気」が原因であることが多い。浮気は分かりやすい亀裂であるし、夫が妻を殺したり、妻が夫を殺したりする原因のひとつとして浮気はよくある動機である。
妻の浮気を知って相手の男を殺す事件もしばしば起きる。起きていない国はないと言ってもいいかもしれない。それほど普遍的なものである。(ブラックアジア:自分の妻が他の男と寝ていた。夫は我を忘れて相手を刺した)
妻の浮気を知って、妻も子供も殺害してしまった夫もいる。(ブラックアジア:妻の浮気を知り激怒、妻と共に息子も斬首したラオスの男)
もっとも、殺人事件に至る前に、多くの人は浮気をやめない相手に愛想を尽かして離婚する。
日本でも、30代を超えても風俗の世界で身体を売って稼いでいる女性たちの少なからずはシングルマザーだったりする。たまに彼女たちは身の上話を聞かせてくれるのだが、だいたいは「夫の浮気が原因で離婚した」という話になる。
そういう話を繰り返し聞かされていると、離婚に至る最大の原因は「浮気」ではないかと無意識に思うようになるのだが、統計を見るとそうではないことに気づいて驚くことになる。
離婚に至る最も多い申し立ては「浮気」ではなかったのだ。