フィリピンが生んだ世界的スーパースターと言えば、多くのフィリピン人が真っ先に挙げる人物がいる。それはマニー・パッキャオというプロボクサーである。
フィリピンは伝統的にボクシングが強い国だが、フライ級からウェルター級を戦い、数々の強豪を制して世界王者となったマニー・パッキャオは「王者の中の王者」である。アジアが生み出した最強のボクサーと言っても過言ではない。
マニー・パッキャオは、フィリピン人の心を鼓舞させ、誇りをもたらした人物なのである。
マニー・パッキャオは、ボクシングの英才教育を受けて成り上がった人物ではない。多くのフィリピン人ボクサーと同じく、貧困層の家庭から生まれ、建設会社の作業員として働きながら、頭角を現してきた苦労人でもある。
だから、フィリピン人はマニー・パッキャオを大切に思うのだ。フィリピンは経済成長の波に乗って徐々に豊かさが回るようになりつつある。しかし、まだ国民の多くは貧困にあえいでおり、そこから抜け出す糸口すらも持っていない。