パプア・ニューギニアは「世界最後の楽園」であると言われている。そこには、深く険しい人跡未踏の山々と、凄絶なまでに美しい海がある。そして、人々は今も文明に毒されていない素朴で質素な生活を送っている。
人口は約688万人ほど。広さは日本の1.5倍。
ほとんど開発されていないこの未開の地には実は、金、銅、石油のような地下資源が豊富で、開発されていけば莫大な富がこの国に落ちると言われている。
しかし、現地の人たちにその富が回ることはない。なぜなら、彼らは多国籍企業にほんのわずかな金で土地を売り渡して、それで終わりになるからだ。
私たち先進国の人間たちにとっては10万円や20万円は端した金だが、そんな金も彼らにとっては信じられないほどの大金であり、端した金で土地を売り飛ばしたとは思っていない。
しかし、その土地の下に莫大な地下資源が眠っていることを考えると、端した金であったのは確かだ。その土地の下にある地下資源はすべて多国籍企業に持っていかれ、彼らには回らない。
地下資源のアクセスから追い出された現地の人々は、もらった金が切れると住む土地も家もなくなった状態となり、貧困の中をさまよい歩く。