歌舞伎町のシネシティ広場には、最近はホームレスかホームレス一歩手前の高齢者たちが地べたに座って談笑するようになっており、さらに若者は無遠慮にゴミを捨てるので、どんどん景観が悪化している。
どんなにお洒落な空間にしようとしても、結局はこうなってしまうことに私は苦笑いしながら通り過ぎて、アパホテル側から花道通りに入ろうとする。
すると、途中で胸の膨らみを強調した若い外国人女性が「アナタ、カッコイイネ」とお世辞にもないことを日本語で言って私に笑いかけてきた。
いや、声を聞いた瞬間に私は彼女が女性でもないことに気が付いた。レディーボーイだった。タイのレディーボーイだと思ったが、一応念のために「どこから来たの?」と訊ねると、彼女はニヤリと笑って「フィリピン」と答えた。
「フィリピン!」
タイのレディーボーイもうろうろしている場所だったが、フィリピンのバクラ(女装者)まで登場するようになっているようで、いよいよ日本は多国籍ニューハーフ集団の狩り場になってきているようだ。LCC(格安航空会社)の広がりは、彼らをも国際化させている。