「先住民族」というのは悲しい言葉であることを日本人は分かっているのか?

「先住民族」というのは悲しい言葉であることを日本人は分かっているのか?

最終的に日本を抹殺し、日本人を抹殺するためには、歴史の歪曲でも捏造でも言いがかりでも何でもするための論理が歴史プロパガンダである。この歴史プロパガンダの行く末に「日本人抹殺の正当化」があるいう事実に、日本人はいつになったら気づくのだろうか?(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

泥沼のイスラエル・パレスチナ問題

「最初からそこに住んでいたから自分たちのものだ」という論理は歴史を見ていると成り立っていない。結局、動物界と同じく、弱肉強食の論理が民族・国家にも働いている。たとえば、イスラエル・パレスチナ問題もそうだ。

先住していたパレスチナ民族がユダヤ人に追い出され、少数民族化させられ、今も両者は泥沼の民族闘争を戦っている。2019年8月にもエルサレムでイスラエル治安部隊とパレスチナ人との衝突があったが、この両者が和解することはない。

ユダヤ人のバックには超大国アメリカがいて、ユダヤ人は国際ネットワークを持っている。一方のパレスチナ人は中東全域に同じイスラム教徒の支援者や支援グループを持っている。

イランもまたパレスチナの支援国家のひとつであり、だからイスラエルとアメリカはイランを敵視しているとも言える。すべてはイスラエル・パレスチナ問題だったのである。対立は根深い。

イスラエルの首相であるベンヤミン・ネタニヤフは「ホロコーストが起きたのは、パレスチナ人がヒトラーに進言したから」と捏造までを言っていたことがある。ネタニヤフ首相の真意がどこにあるのかは明快だった。

(1)パレスチナ人がホロコーストを進言した。
(2)パレスチナ人はユダヤ人にとって有害だ。
(3)パレスチナ人を抹殺しても当然の行為だ。

パレスチナ人を抹殺するためには、歴史の歪曲でも捏造でも言いがかりでも何でもするという姿勢がここにある。

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どんな民族であっても歴史から消される可能性

強大な武力で先住民族を抹殺して我が物とする。

それは歴史の話でも何でもない。中国でも今それが起きている。チベットやウイグルで起きている中国共産党政府による「大虐殺」「大弾圧」は人権侵害以外の何者でもないが、中国はこの問題に関わってくる諸外国を「内政干渉だ」と激しく叫びながら世論封鎖し、民族浄化を押し進めている。

先住民族が元々住んでいる土地から追い出されたり抹殺されて乗っ取られる動きは、現実に私たちの目の前でいくらでも起きている。昔からそこに住んでいるから、将来もそこに住めるという保証はないのだ。

圧倒的なパワーを持つ異民族が怒濤の如く侵略して来ると、どんな民族であっても歴史から消される可能性がある。

これはアメリカ大陸で起きた残虐な歴史を見ても分かる。アメリカは白人たちの土地ではなかった。白人たちは侵略者であり、虐殺者だったのだ。侵略者は、元々そこにいた民族を執拗な虐殺によってほぼ壊滅状態に追いやって少数民族化させて、無害化したところで虐殺を止めて「彼らは先住民族だ」と定義した。

ネイティブ・アメリカンはもはやアメリカで大きな影響力は持っていない。民族は滅んでいないが、かつて自分たちの土地であったはずのアメリカ大陸でその存在はすぐに吹き消せるほど小さく、儚く、もろい。

南米でも侵略者がやってきて同じことが起きた。

先住民族は侵略者であるスペインに徹底的な虐殺で「少数民族化」させられた。残された若く美しい女性たちは侵略者の子供を産み落として子供たちの代から混血と化した。

「南米の混血女性が美しいのは、美しい女性だけを選別したから」なのである。

オーストラリアでも起きた。先住民族は、周辺国から大量流入した異民族を押しとどめることができず、征服され、虐殺され、混血化していった。

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文化も歴史も言語も消されていく

民族が弱体化すると、民族が壊滅してしまう。

虐殺によって少数民族化するのも問題だが、その民族が時代に適応できなくなって自然に少数民族化しても同じ結果になる。

柔軟性を失った社会、成長を失った社会で生きる民族は、やがて自然抹消するか、周辺民族に吸収されて消されて行くか、もしくは荒々しく他民族に蹂躙されて抹殺されてしまう。

それは突然起きることもあるが、長い歴史の中で淘汰されることもある。たとえば、「少子高齢化に見舞われる民族」も、やがて活力を失い、いつしか少数民族となって、文化も、歴史も、言語も消されていくのである。

私たちは東南アジアに山岳地帯に少数民族がたくさんいるのを知っている。彼らはどんどん増えていくわけではない。逆だ。どんどん消えていく。

周辺国があまりにも強大で、自分たちがあまりにも無力であれば、意図的でなくても、やがて同化したり、無理やり同化させられたりする。そして、ゆっくりと消え去っていくことになる。

少数民族は独自の言語を持っているが、人々が消えていくと言語も急速に消滅してしまう。絶滅の危機に瀕している少数民族の言語は、ユネスコの言語調査によると2473言語ある。これらの言語は最後の話者が消えた瞬間に淘汰される運命にある。

中国では満州語、アメリカではインディアン諸語が絶滅が必至だと言われている。あまりにも政治的に無力になると、社会に力がなくなっていく。

そうすると、子供も自分たちの文化に失望を覚えて社会を飛び出して行く。そんな傾向が増えると、民族の言語も絶滅し、社会も消えるのだ。

少数民族とは、多くの地で「先住民族」だったことは指摘されてもいい。改めて考えて欲しい。「先住民族」というのは昔からそこに住んでいる民族という意味だ。しかし、今はその土地を支配していないという意味もそこに込められている。

今はそうではないから「先住民族」と言われて区別されているのである。昔から住んでいるから未来永劫にその民族の土地であるとは限らないということをこの「先住民族」という言葉は示している。

「先住民族」というのは悲しい言葉なのである。

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日本人を抹殺するための世論工作が進んでいる

日本は「まだ」少数民族ではない。人口1億2000万を抱える民族であり、しかも四方を海に囲まれて征服から守られてきた民族でもある。日本人は、その国土で長い歴史を育んできた。

しかし、グローバル化と文明の発達は、すでに海で守られているくらいではまったく無力なものとなっている。

周辺国が強大になり、日本が経済的停滞に入ってから、まず小さな島から侵略されつつあることに多くの日本人が気づいている。実際、中国は尖閣諸島から沖縄までを自分たちのものにしようとして激しい侵略活動を行っている。

竹島は日本の島だが、韓国がそれを奪い取った後に実効支配しており、今度は対馬も自分たちのものであると言うようになっている。

北方領土はかつては日本の領土だったが、それはロシアに奪われたまま未だに帰ってこない。ロシアはこの奪い取った北方領土の先に、北海道を見据えている。

それは歴史的に日本人のものだったから、これからも日本人のものであるというのは幻想なのである。

中国・韓国・北朝鮮のような特定のアジア国家が、日本人を大虐殺して日本の領土を奪い取ったら、日本は日本人のものでなくなることくらいは小学生でも分かるはずだ。

中国が南京大虐殺で30万人殺されたとか、好き勝手に歴史を捏造して数字を増やしているが、日本人はその意味を分かっているのだろうか。

中国はそれを世界に喧伝することによって、自分たちは同じ数の日本人を抹殺する権利があるということを主張しているのである。歴史の捏造の先にあるのは、日本人の抹殺なのだ。日本人がそんな単純なことすらも理解できていない。

中国の論理はこのようなものだ。

(1)日本人はかつて中国人を大量虐殺した。
(2)日本人は中国人にとって有害だ。
(3)日本人を抹殺しても当然の行為だ。

最終的に日本人を抹殺するためには、大義名分が要る。それを担うのが、歴史プロパガンダである。歪曲でも捏造でも言いがかりでも、「嘘も100回言えば真実になる」で世間に浸透させて、それを大義名分として利用する。

この歴史プロパガンダの行く末に「日本人抹殺の正当化」があるいう事実に、日本人はいつになったら気づくのだろうか?

「先住民族」になっても気づいても、もう遅い。

『世界紛争地図(「世界情勢」研究会)』。スーダン、ソマリア、ウイグル、チベット、パレスチナ……。いつの時代でも世界には紛争があり、国と国が争い、平和裏に解決することは決してない。弱肉強食だ。

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