2021年2月12日。東海テレビが、父親から性的虐待を受け続けてきた女性の記事を掲載している。
被害に遭った女性は「彼氏ができた時の為の練習だよ」と言われて、自分の実の父親から高校生までずっと性的虐待を受けていたのだった。(東海テレビ:父親「彼氏ができた時の為の練習だよ…」高校まで性的暴行受け続けた女性 癒えぬ傷と子育て「あの人の逆を」)
この女性は25年経った今も大きな心的外傷《トラウマ》を負っており、解離性同一性障害という精神的な病《やまい》にかかって二週間に一度カウンセリングを受けている。しかし、自分の父親から性的虐待を受け続けてきたという傷はカウンセリングで癒えることはない。
風化させるか、閉じ込めるか、乗り越えるか、いずれにしても、自分の心の中で折り合いを付けなければならない状況にある。
この東海テレビの記事には、さりげなくこのようなことが書かれている。
『内閣府の調査では、家族などから性被害を受けた女性のうち誰にも相談していない人の割合はおよそ6割です』
アメリカの有名なフェミニストに、ダイアナ・ラッセルという女性がいる。この女性はアメリカの930人の女性を調査して、女性の38%が18歳までに何らかの性的虐待を受けた経験があるという結果をまとめた女性だ。
そして、性的虐待を受けた女性たちがトラウマを隠し持ちながら、暮らしていることを世間に訴え続けてきた。ダイアナ・ラッセルはこの幼児期に受けた女性のトラウマを「シークレット・トラウマ」と名付けて、そのトラウマが引き起こしている様々な例を挙げている。
そのトラウマは、鬱病や自傷や摂食障害や不眠症やドラッグ依存、アルコール依存となって現れるのだという。さらに、その中で奇妙なことが起きていたことも報告している。奇妙なこととは何か。