鈴木傾城のささやかな幸せ。久しぶりにバンコクにいると気持ちが落ち着く

鈴木傾城のささやかな幸せ。久しぶりにバンコクにいると気持ちが落ち着く

久しぶりにバンコクにいるので、フアランポーンの周辺に行かなければならないという義務感のようなものを感じた。

フアランポーン周辺は、かつて伝説の「ジュライホテル」や「台北大旅社」などがあって、日がな一日ぶらぶらしているだけの日本人バックパッカーが沈没していた場所で、私も彼らに混じって20代の一頃は無為に過ごしていた。

体調が悪くて死にかけていた2011年頃も私は、本能的に「潜むならこの地区だ」と思って向かったほどだ。(ブラックアジア:ヤワラーの荒んだ旅社で知り合った貧しい女性と赤ん坊

すでにこれらのホテルは閉鎖され、ジュライホテルも影も形もなくなってしまい、この地域は地盤沈下して見捨てられた。そこに行っても何があるわけでもない。もう話題に登ることすらもない。

そのため、今回はこれらの地域をただ通り過ぎるだけに留めて、私はフアランポーン駅からそのままヤワラーに入った。私が潜んでいたヤワラー地区の路地裏はまだ残っているのだろうか……。

さすがに再開発されて、あの取り残されたような路地裏は消えてしまっているのではないかと心配した。しかし、大丈夫だった。行ってみれば、そこはまるで時間が止まっているかのように、そっくりそのまま残されていた。

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