もう政府も、会社も、男性も、誰も女性を守ることに関心を失っている

もう政府も、会社も、男性も、誰も女性を守ることに関心を失っている

ハンサムで背も高くて高学歴で金持ちな男性は「どこか」に存在する。しかし、そのような男はかなり稀少動物なので、ごろごろ転がっているわけではない。

それならば「年収600万円稼いでいる男であれば誰でもいい」と婚活を考えている女性が言うと、その「年収600万円を稼ぐ男も少ない、贅沢だ」と批判される世の中になっている。

「愛し合っていても金のない男なら結婚対象にならない。逆に贅沢をさせてくれるなら、どんな問題のある男でも構わない」と考える女性は多い。しかし、肝心の「贅沢させてくれる男」がいない。

バブル時代という拝金主義の時代に染まった当時の日本女性も、あからさまに高望みをしていた。その高望みは、「三高」という言葉で集約されていた。

「高学歴、高収入、高身長」というものだ。

この高学歴・高収入・高身長というのは、「社会的地位の高い金持ちの男」を意味しており、そういった男でないと結婚対象にしたくないと言う当時の日本女性の要求だった。

世の中が拝金主義に染まっていくと、もはや愛を育むとか、共に尊敬し合い慈しみ合うとか、清く貧しく美しくとか、そんなものはまったく評価されず、ただカネがあるかないかで決まっていくようになる。まさに「カネこそすべて」だ。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

本気で「三高」を求めていた女性も

この「三高」は、最初は女性のシビアな要求というよりも、本音を少し交えた冗談のようなものだったかもしれない。しかし、中には本気でこの「三高」を求めていた女性もいた。

バブル時代に突入したのが1986年頃だ。1980年代の後半になればなるほどバブルの度は深まっていき、世の中が「カネこそすべて」に染まった。若い女性たちもまたそんな時代の風潮を敏感に感じ取って贅沢を求め、踊り狂うようになっていった。

本当に日本の女性たちが拝金主義に染まっていったのだ。

こうして女性の要求が高まっていけばいくほど、男たちは女性に反発したり絶望したり困惑したりした。そして、スペックを満たしていない男たちは、次第に結婚をあきらめるようになっていく。

何しろ世の中の男のほとんどは「三高」に当てはまらないし、もし当てはまったとしても、愛よりも属性(スペック)で男を選ぶ女性には警戒心を持つ。

「この女性は、自分が贅沢したいがために男を利用する気だ」と思う。

結婚してからもあれこれ要求されたらたまらないし、世の中はいつも良いときばかりではない。困難の時代に入ったとき、「三高」を求めて近寄ってきた女性は、さっさと去っていくかもしれない。

つまり、世の中が拝金主義になって、結婚に対して女性の要求が増えれば増えるほど、男は結婚するよりもひとりでいることを望むようになる。

「三高」を求める女性は、要するに男に寄生する魂胆があると男は感じてしまうのである。女性が「カネこそすべて」に染まってしまうと、男は女性を満足させることができないと思って、自ら身を引く。

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応えられなくなってしまった男

皮肉なことに、「三高」を求める女性が増えていく中で時代は急激に変化していた。

1990年に入ってから日本の狂乱バブルは急激に崩壊し、株式市場も不動産市場も二度と復活することがないほどダメージを受け、バブルに踊った人たちも破綻していったのである。

日本の経済環境はますます悪化していき、日本人の男は「三高」を満たすことが事実上「不可能」と化した。日本人男性は、相変わらず女性が求める「金こそすべて」に応えられなくなってしまった。

さらに2000年代に入ると若年層は仕事すらも見つからなくなって、「三高」どころではなくなった。地獄のような就職氷河期の中であえぐしかなかった。

小泉内閣になると、日本でも自由競争という名の弱肉強食の資本主義が発足した。これによって企業は好きに正社員をリストラし、派遣労働者を使い捨てにするようになったのだ。

若年層はみんな追い込まれた。正社員の雇用は極度に減り、非正規雇用しか仕事が見つからない人が増え、若者の貧困と格差が広がっていくようになった。

その結果、どうなったのか。男たちがもう女性と付き合うことをあきらめ、結婚もしなくなった。しなくなったのではなく、できなくなっていったのである。

そんな状況で、女性自身も非正規雇用やパートでしか仕事が見付からなくなっていた。

相手が見つからなくて結婚できない女性が増え、さらに仕事も見つからない女性も増えた。そして、経済の悪化と共に離婚も増えていくようになり、今や三組に一組が離婚するような時代に入っていった。

子供を抱えて養育費ももらえず、苦境に堕ちるシングルマザーが増えていくようになった。2010年代に入ると、もう女性たちは「三高」を求めるどころではなくなってしまっていた。

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どん底に堕ちてしまった日本女性

若者の貧困、シングルマザーの貧困、そしてリストラが恒常化したことによる中高年の貧困、増税や年金減による高齢者の貧困……。いまや、ほぼすべての世代に貧困が行き渡っていくようになっている。

そうなると、社会は弱者を守ったり保護したりすることができなくなってしまう。

その結果、資本主義では常に不利な立場に置かれている女性も苦境に堕ちていった。若い女性も雇われにくくなり、低賃金の仕事を余儀なくされている。

食べていけなくなった女性の受け皿になっているのが風俗なのだが、風俗も競争過多になっていくと、どんどん稼げなくなっていく。最後の拠り所だと思われていた風俗に所属しても食べていけない女性まで出て来ているのだ。

「三高」の男は限りなく少なくなり、「三高」でない男たちはもう自分が生きるのに精一杯だ。

そして、若い女性は高望みをしていないにも関わらず結婚できず、結婚しても離婚の危機に陥ることが多く、シングルマザーは再婚は難しく、仕事でも最低限の賃金しかもらえず、風俗でも稼げない。

危険なのは、この状況は現在の日本の社会情勢を見ると、これからもずっと続いていきそうな状況にあることだ。

もう政府も、会社も、男性も、誰も女性を守ることに関心を失っている。家族との関係が希薄であれば、家族すらも守ってくれない。つまり、女性たちは自分で自分の身を守らなければならない。

生き残れるか破滅するか。日本女性のサバイバルは、厳しさを増している。(written by 鈴木傾城)

もう政府も、会社も、男性も、誰も女性を守ることに関心を失っている。家族との関係が希薄であれば、家族すらも守ってくれない。つまり、女性たちは自分で自分の身を守らなければならない。生き残れるか破滅するか。日本女性のサバイバルは、厳しさを増している。

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