彼女たちが夢を持って成功をつかんでくれたら私は夜も眠れないほど嬉しい

彼女たちが夢を持って成功をつかんでくれたら私は夜も眠れないほど嬉しい

北朝鮮のような超独裁政権では、統治者である金正恩を脅かすほどの権威や才能や能力を発揮する人間は必ず粛清される。ナンバー2は信頼されるのではない。警戒されるのである。どんなに忠誠を誓っても無駄だ。抹殺される。

しかし、才能や能力がある人間が叩き潰されていくのは、別に北朝鮮だけで見られるものではない。

どこの世界でもそうなのだが、今までの秩序をつぶすような形で目立つと、どんなに才能があろうが能力があろうが、まわりから「図々しい」「立場をわきまえていない」と思われて潰されてしまう。

才能があるのは素晴らしいことなのだが、同時に新しい才能は警戒の対象である。才能があればあるほど、そして能力があればあるほど、「危険人物だ」と思われて潰されていく。

日本でも年功序列の時代が長かったので、上司を凌駕するような能力を持っていると、潰されるばかりか、警戒されて排除されることもある。

能力がある者が能力を発揮できないような悲しい状況に置かれる。才能があるばかりに潰されるという現象は、全世界のどこでも起きている。才能を持った人間は、秩序を崩壊させる異端者として、どこの世界でも嫌われる。

そして、嫌われたくないがために才能を捨ててしまったり、挑戦をあきらめてしまう人もいる。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

自分を殺して今のままでいようとする

革新的なビジネスプランを持った若い経営者は潰される。あまりにも超絶的な才能を持った人間も業界から追い出される。

今までの世界を覆すような斬新なアイデアを持った表現者も、やはり受け入れられるよりも排除されることが多い。

そんな超絶的なものでなくても、集団の中でただ単にリーダーシップを取ろうとするだけでも、「でしゃばっている」として、まわりから打たれたり、叩かれたり、妬まれたり、批判されたり、足を引っぱられたりすることがある。

才能がある人間は、その組織や集団の中で既得権益を得ている人間にとっては、自分の利益を奪う有害な存在となるので「敵」なのである。

「自分たちが持たない何か」を持つ人間は、まわりを敵に回す。たとえば、「夢」を持つことすらも、夢を持たない集団の中では異端児と化す。まわりに、嫉妬を巻き起こしてしまうからだ。

前向きに夢を持った人を叩くというのは、冷静に考えると不可解にも思えるが、その夢が実現したら追い抜かれた自分たちが惨めになると思うと、どうしても夢を壊そうとして足を引っ張る人が出てくる。

その醜悪な現実を見て、多くの人は自分の才能を開花させるよりも、それを自分で殺して今のままでいようとする。人は誰でも、まわりに批判され、憎まれ、悪口を言われ、時には罵倒されたり中傷されたりされたくないのだ。

そんな目に遭うのなら、何もしない方がいいと思ってしまう。何もしないで、集団の中で漂うように生きていると、台頭できないが叩かれることもない。楽だ。

人は往々にして楽な方に流されていくので、「楽になれるのであれば夢を捨てよう」「軋轢を生み出すのであれば、何もしないでいよう」と無意識に考える人が出てきても不思議ではない。

そして、何もしない理由として、いつしか「どうせ私には無理だ」という考えを持つようになる。

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「わたしは無理なの」と言った

世の中には才能のある人も多い。しかし、才能を発揮する前に潰されていったり、自分から才能を捨ててしまう人も多い。

そうした人たちを私は人生の中で何人も見てきた。

今まで、いろんな女性と出会ってきた。彼女たちの中には、本当にたくさんの言語を知っていて、タイ語、インドネシア語、クメール語、英語、フランス語と、次々と言葉を切り替えて、私を楽しませてくれる女性もいた。

「すごいね。通訳の仕事とかできるね」と私が言うと、彼女は「私はできない。学校に行ってないから」と答えた。しかし、彼女の才能は明らかにどこかの大学を卒業した人たちを凌駕していた。

あまりよく目が見えない女性もいて、暗い部屋の中、紙を折って精巧な置物を作っていた女性もいた。アーティストだな、と私はしみじみと思った。うまくそれを売ればきっと買う人はたくさんいただろう。しかし、彼女は自分の才能には微塵も気付いていなかった。

身長が高くて、スラリとしていて、モデル顔負けのスタイルを持った女性もいた。彼女は私に「モデルになりたい」と言って、ホテルの部屋でいろんなポーズを撮って私を楽しませてくれた。

「オーディションは受けないの?」と聞くと、彼女は首を振った。「私よりもすごい子はいっぱいいるから」

みんなそれぞれ才能を持って、もしかしたらその才能で自立できるのかもしれないと思ったが、彼女たちの多くは「わたしは無理なの」と言った。

本当は無理ではないのかもしれないが、彼女たちはその才能を発揮したくないと考えており、自分の持って生まれた才能を捨ててしまっているように見えた。

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彼女たちが成功をつかんでくれたら

自分の持って生まれた「良さ」や「才能」や「能力」というのは、それが自分のものだから、何か重大な価値があるもののように思えないのかもしれない。

傍から見たら才能があるとすぐに分かるのに、自分自身がそれを否定してしまい、「磨けば光る」ものを放置した挙げ句に捨て去るようなことをしてしまう。

得意を捨てて苦手で生きるのだから、生きにくい人生になってしまうのは当然だ。

本当は自分の中にある才能や能力を大事に、そして慈しんで育てて上げなければいけないのだが、まわりが「才能ある人間は引きずり降ろせ」と言わんばかりに、寄ってたかって才能や夢を潰してしまう。

人は不思議なことに、肯定的な意見よりも否定的な意見の方を強く認識してしまう癖があって、そういった否定を投げかけられると動揺し、無意識にそれを受け入れてしまう。そして今度は、自分で自分を否定するようになってしまう。

これは、誰にとっても他人事ではない。誰にでも起こりえる経験だ。

もしかしたら、あなたにも希有な才能があって、まだ種が発芽していないのに、発芽する前から踏みにじられてしまっているのかもしれない。

世の中は何でもそのようになってしまっているので、それはあなたも無縁ではなかったはずだ。とすれば、本当に必要なのは、自分で自分の才能を慈しみ、育て、愛し、信じることだと言うしかない。

私が知り合った女性の誰かが、そこから羽ばたいて大きな才能を開花してくれる可能性はゼロではないはずだ。彼女たちが挑戦してくれたら、もしかしたら道が開けるかもしれないのだ。私はそれを願っている。

彼女たちが成功をつかんでくれたら、私は夢見心地になって夜も眠れないほど嬉しい気持ちになるだろう。(written by 鈴木傾城)

私が知り合った女性の誰かが、そこから羽ばたいて大きな才能を開花してくれる可能性はゼロではないはずだ。彼女たちが挑戦してくれたら、もしかしたら道が開けるかもしれないのだ。私はそれを願っている。

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