多文化共生を謳い、多くの移民や難民を受け入れてきたEUだが、今やその光景はすっかり変わってしまい、EUの多くの国で「反移民・反難民」の嵐が吹き荒れている。
特に移民・難民に嫌悪を持つようになっているのがフランスだ。フランスはここ数年、しばしばイスラム過激派のテロに見舞われて、すでに国民の怒りは頂点に達している。
イスラム系の移民・難民に対する寛容などは吹き飛び、ブルカやニカブのような服装を着ているイスラム女性は道で罵倒を浴びせられたり、ツバを吐かれたりしている。
さらにフランス南部ではイスラム女性のための全身を覆い隠す「ブルキニ」が禁止されることになった。
イスラム系住民はこれに対して一斉に反発し、「イスラム嫌悪から来るいやがらせだ」と言うのだが、フランス国民の多くは「フランスの文化と相容れない」としてこれに賛同し、議論が巻き上がって今も続いている。
実際にニースで警官がブルキニを着た女性を取り囲んで「脱げ」と強制している写真がツイッターでアップされると、さらに議論は沸騰していった。