ドラッグやギャンブルに歯止めがかからない気質があれば喜ぶべき理由

ドラッグやギャンブルに歯止めがかからない気質があれば喜ぶべき理由

日本ではマリファナや覚醒剤のような違法薬物を使った経験のある人がどれくらいいるのかというのは信頼できる正確な統計はない。どの機関がどんなアンケートを取ったとしても同じだ。

「違法薬物を使ったかどうか」というその質問そのものが、正直に答えていいのかどうかをためらわせる。当然、自己防衛のために「ノー」と答える人が多いので、数値は必ず低くなって出てくることになる。

2010年、読売新聞では違法薬物を使用した日本人は約276万人になるのではないかと推測した記事を出している。これはひとつの目安ではあるが、ドラッグに惹かれる層は間違いなく300万人近くはいるということになる。

覚醒剤だけに限って言うと、検挙者は2017年は1万4019万人だ。しかし、これも氷山の一角であり、少なく見積もっても20万人以上が常用しているのではないか。

ドラッグは警察当局がどんなに厳しくしても、必ず関心を示してのめり込む人が出てくる。そして、坂道を自ら転がり落ちるように依存に堕ちていく人が出現する。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」、投資をテーマにしたブログ「フルインベスト」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

依存症の半分は、遺伝が原因

現代社会には、合法・違法問わず、数多くのドラッグが存在している。覚せい剤、ヘロイン、コカイン、マリファナ、MDMA、脱法ドラッグ、睡眠薬、精神安定剤……。

こういったものに極度にのめり込んでいく層と、最初から歯止めがかかって依存にならない層がある。

タバコもアルコールも今のところは合法なので多くの人がそれを楽しんでいるが、やはりここでも極度にのめり込んで破滅していく人と、ほどほどに付き合って依存に至らない人に分かれていく。

のめり込むと言えば、ギャンブルもそういった「のめり込み」を誘発させる。ここでも、やはり極度にのめり込んでいく人とそうでない人がくっきりと分かれる。

ギャンブルと言えば、パチンコや競馬や競輪やカジノのようなものから、FX(為替証拠金取引)のようなものまである。一度手を出して面白いと思っても全員が全員のめり込むわけでは決してない。

何度かそれをやって「楽しい」と感じても「危ないから引き返そう」と思う層も明らかにいるのだ。

アルコールにのめり込む人は、ギャンブルにものめり込みやすいという統計がある。これは何かにのめり込みやすい人は、対象を問わないことを意味している。

この気質は「環境なのか遺伝なのか」は評価が分かれるところであったが、最近は遺伝的な要素が強いという仮説が優性になっている。すでに1万組を超える双生児の縦断研究によって、薬物を乱用しやすい家系があることが見つかっている。

この調査以外にも、依存症の家系を調べると親族に他にも依存症だった人がたくさん見つかることはよく知られている。依存症の半分は、遺伝が原因だったのだ。

東京大学分子細胞生物学研究所の石浦章一氏は、これがドーパミン(快楽物質)の分泌と受容体が関連していると報告している。

のめり込みやすい人は、男女問わず「のめり込む」ことによって普通の人よりも多くの快楽を得る。「もっと、もっと……」という状態に快楽を感じ、快楽になるから止められなくなってしまうのである。

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行き着く先が破滅であっても暴走

依存とひとことで言っても、大きく分けると3つの依存状態がある。

(1)物質に依存する。
(2)行為に依存する。
(3)人間に依存する。

ドラッグやアルコールにのめり込むというのは「物質」に依存するものだ。ギャンブルにのめり込むのは、「行為」に依存するものだ。その他にもストーカーのように、のめり込む対象が「人間」になる人もいる。

こういった依存は本人が止めようと思っても止まらないので、行き着く先が破滅であっても、そのまま暴走していく。

覚醒剤などのドラッグは、物質自体にも強烈な依存性を作り出すので、遺伝的な気質とドラッグの性質のダブルパンチでその人をのめり込ませる。覚醒剤の依存者の多くが再犯するというのも不思議ではない。

依存症の人がほぼ全員が使い回すセリフに「分かっちゃいるけどやめられない」というものがある。それを止めないと自分のキャリアが破壊されると分かっていても、そんなことは自制にもならない。

恐ろしいと思うが、実は他人事ではない。なぜなら、石浦章一氏の調査によると、こういった依存症になりやすい遺伝子を持っている人は、だいたい4割程度はいるというからだ。

10人いれば、そのうちの4人は、道を間違えれば何らかの依存症になってしまう心配がある。これは決して低い可能性ではない。あなた自身も依存症になる遺伝子を持っているかもしれない。

何かのきっかけで、知ってはならない「危険なもの」を知ると、一気にのめり込んで人生が激変してもおかしくない。

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本当にそれは悪い遺伝子だったのか?

では、この4割は全員「破滅予備軍」なのだろうか? そして、のめり込み遺伝子があることは悪いことなのだろうか。悲観しなければならないのか? いや、それがそうではないのが面白い。

もしかしたら社会で大きな成功をつかみ取るのは、実はこの「のめり込み」遺伝子を持った人かもしれない。

あなたは、「のめり込む」タイプだろうか。それとも、すべての事柄にきちんと距離を置いて接することができるタイプだろうか。のめり込むというのは、その多くは悪いことであると思われがちだが、対象が「生産的なもの」だった場合、逆に作用することもある。

たとえば、自分のやっている仕事に深くのめり込む人もいて、名だたる数学者・芸術家・実業家の多くは、実は「のめり込み」の遺伝子を持った人である。

IBMの初代社長であるトーマス・ワトソンも異様なまでに仕事に没頭していたことで知られているし、トーマス・エジソンもまた寝食を忘れて発明に没頭していた。

1903年のノーベル物理学賞のキュリー夫人も、猛烈な没頭型の研究者で、集中するとまわりで起きていることが一切目に入らなくなった。野口英世も、研究所どころか家でも顕微鏡をのぞいて研究に没頭していた。

世の中の多くは「のめり込む人」によって突き動かされている。そう考えると自分の中に「のめり込み」の遺伝子があったとしても、それは悲嘆することではなく逆に喜ぶべきことであるとも言える。

のめり込む遺伝子が問題なのではなく、その「対象」が問題なのだ。ドラッグにのめり込むのか、仕事にのめり込むのか。アルコールにのめり込むのか、芸術にのめり込むのか。

のめり込む性格の人は、のめり込む対象を間違ったら、大変なことになる可能性があるが、逆にのめり込む対象が「運良く」有益なものであったら、これまた別の意味で大変なことになるかもしれない。極度の「のめり込み」によって、歴史に名を残す偉人になる可能性もある。

歯止めがかからないというのは、恐ろしいことなのだが、諸刃の剣(もろばのつるぎ)という言葉がこれほどふさわしい気質はない。あなたがもし「のめり込み遺伝子」を持っているとしたら、それは自分を飛躍させるものにも破滅させるものにもなる。(written by 鈴木傾城)

のめり込む性格の人は、のめり込む対象を間違ったら、大変なことになる可能性があるが、逆にのめり込む対象が「運良く」有益なものであったら、これまた別の意味で大変なことになるかもしれない。極度の「のめり込み」によって、歴史に名を残す偉人になる可能性もある。

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