大阪のドヤ街あいりん地区の中には「飛田新地」と呼ばれる特殊な売春地帯がある。
この飛田新地の外れには「百番」と呼ばれるかつての遊郭を利用した建物が料亭として経営されている。観光客もやってきて、それなりに繁盛しているようだ。(傾城フォト(百番より))
「百番」はとても威風堂々とした建物で、夜にこの建物を見ると惚れ惚れして見つめてしまうしかない。昔の日本の建物は美しかったのだ。
かつて、日本には「遊郭」が存在して、このような建物に多くの遊女がいた。「遊郭」とは、遊女屋が集められた地域を指し、傾城街とも郭(くるわ)とも呼ばれることもあった。
この遊郭内には、娑婆(カタギの世界)と違って独自の世界や流儀があったので、これらの世界は「花柳界」とも呼ばれるようになっていた。
そして、この花柳界には多くの隠語が使われていた。その隠語は面白いものも多い。たとえば、刺身(さしみ)という隠語があるが、これは何を意味するか分かるだろうか。
これは、今で言うところの「キス」だ。と言っても、唇が触れ合う軽いキスではなく、もっと深く生々しいキスを遊女たちは「刺身」と呼んでいた。なぜか。