元々、日本人は「正直」が行動の土台となっている。これは日本人の特徴でもあり、美徳でもある。
「正直である、正直でありたい」という心があったからこそ、日本は世界でも類を見ないまでの安全で優しい社会を作り上げることが可能だったとも言える。しかし、正直というのは、教育や文化で培われるものである。
それは、人間が最初から持ち合わせているものではない。そして、すべての国が正直を尊んでいるわけではない。当たり前のことだが、世の中には「騙すよりも騙される方が悪い」という哲学を持った国や民族もいる。
人間は元々「自己中心的」な生き物であり、自分の利益のためには他人よりも自分を優先する行動がしばしば見られる。それがさらに徹底されると、他人を騙してでも自分が得したいという方向に向かっていく。
騙して、ワナにかけて、自分の利益を追うのだ。
そこまで到達すると、「正直に生きる」とはまったく逆の思考になっていくのだが、実際問題としてそれを選ぶ危険な存在も多い。この「他人を貶める」というのを徹底して突き詰めたのが「謀略」や「策略」なのである。
「騙しの基礎」を知りたいだろうか? それは体系立てられているのだ。(鈴木傾城)